カーファへのオード

甘やかでほろ苦く酸い

赤い木の実の、種よ


遥か昔、エチオピアで

おまえは僧侶に見出され

不眠不休で祈りを捧げるための

秘薬とされ畏怖を込め

カーファと呼ばれた


Boston Tea Partyを

境におまえたちはアメリカで

畏怖から愛される存在となる

おまえたちはイギリスからの

独立の象徴でもあった

カーファよ


そして、今

赤道直下の国々から

おまえたちは

多くの手と足に

支えられやってきた

歴史という悠久の時を越えて来た

妙なる訪問者よ、歓迎しよう

おまえを発見した僧侶たちの

祈りの如く

丹精込めて炒り

挽いたなら

香しさに酔い痴れよう

湯をそそげ、湯をそそげ

奮い立つ香り!

立ち昇れ、立ち昇れ、立ち昇れ!

そうして

珈琲カーファと畏敬を込めて

古き名で語りかけると

我が家に素晴らしき

朝がやって来る


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