第5話 識別コード『G49KR4T』
「やあ、君の昨日の行動ログ、そして昨日からの思考回路、記憶を見させてもらった。なんだか、腑に落ちないと悩んでいるようだね」
校長先生は私のことをすべてお見通しなようだ。
ちなみに校長先生とは私たち
「そう……ですね。私たちとヒトは何が違うのか。その答えが頭では分かっているんですが、心にすとんと落ちてこないというか」
「違うも何も、君たちは体の替えが利く。事故を起こしても君たち
彼の言った識別コード『G49KR4T』は田中いろはのことである。名前で呼んでいるのは私たち
私はそんな認識コード『G49KR4T』、通称田中いろはをまじまじと見てみる。
体格、顔のパーツ、細かな肌の感じ。すべて元通りだ。特に彼女の青緑色の瞳がちゃんと付いている。
それなのに、なんだか目の前にいるこの
色が微妙に違うのか、それとも全く一緒だが私の感じ方が変わったのか。とにかく片目ではあるが前とは違う瞳を持ったコレを田中いろはであるとは感じられない。
私はポケットのものをギュッと握りしめた。もう田中いろはは戻ってこない。私は急に壊れることが怖くなった。
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