第105話 内輪の話(???の場合)

第三巻発売記念SS

記念SS最後は???達の話です。


(古の森イベント終了後のある時,ある場所にて)


黒「私たちがリイドから出られるようになってから、しばらく経つわね。今の状況をどう考えているのかしら」


白「あふ……前ほどゆっくり寝ていられないけど、お兄さんの枕の質はどんどんよくなっていくし、たまに昔みたいに暴れるのも悪くないよ」


赤「あちしは今の状況は願ったりね。あの街にいたらまともに戦うこともできないし、強い敵と出会う機会すらないもの」


青「ふむ、良いか悪いかの判断を下すのはまだ早いが……少なくとも不満はない」


黒「へぇ、凄いわね。四災と呼ばれた私たち全てと契約をしながら誰もそれを不快に感じていないなんて」


赤「くく、あんたも嫌とは思っていないってことね。まあ、色ボケ猫にしてみたらようやく遊び相手が見つかったってところかしら」


黒「……そうね、本当にその程度の契約者だったらもっと好き勝手なことが出来て気楽だったかも知れないわ」


赤「ん? 何をいっているのかしら?」


青「わからなくもない」


白「そうだね、お兄さんが悲しくなったり、嫌がるようなことはもうしたくないよ」


赤「……ああ、そういうことね」


黒「あなたも私も、もう少し力を取り戻せば人化もできるようになるけど……その気はないのかしら?」


赤「その気? ……ふん、女としてってこと? そうね、今のままのあいつならないわ。でもいつか、あいつがあちしをぞくぞくさせられるほどに強くなるようなら……その時は譲らないかもね」


黒「……ならいいわ。あなたの食指が動くようになるまでには十分な時間があるから、相手は人間たちだけということね」


?『ブブブブッ!』


黒「え? なんですって、ローズ(※書籍版第2巻参照)あなたも名乗りをあげるの? でも、あなた蜂の魔物よね。いろいろ難しいのではないかしら?」


薔薇『ブブブッ!(愛があれば大丈夫)』


黒「……ま、まあ、好きにすればいいわ」


?「くぉぉん!」


赤「あらあら、人間たちだけじゃなくて従魔や精霊にまで大人気じゃない。だったらあちしも青田買いで参戦しようかしら」


黒「ちょ! 赤鳥!」


白「ふわぁ……お兄さんといるとなんだかふわっとして気持ちいいからね」


青「なんとも不思議だがな」


黒「それにリョク(※書籍版第3巻参照)! あなたも本体は樹の精霊でしょう? そもそもあなたは契約してもらえたばかりですし、今はそれだけで良しとしなさいな」


緑「くぉん!(愛には時間も体も関係ないもん!)」


薔薇『ブブブブッ!(その通り!)』


赤・黒・薔薇・緑「「「『ぎゃぁ! ぎゃあ!』」」」


青「ふ……なんともにぎやかなことだな」


白「うん、でも毎日楽しくて僕は好きだな」


青「違いない。さて、巻き込まれる前に退散しよう。すまんが運んでくれぬか」


白「いいよぉ、僕もお兄さんのところに行って昼寝しようと思ってたしね」



――――――――――――――――――――――――――――――――――


最後は従魔たちのお話でした。

WEB版では未出の従魔も出てます。ローズは二巻、リョクは三巻に出てきますので是非書籍を買ってご確認くださいませ。

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