第67話 イベント
『オープン100日記念イベント【
結界に閉ざされた古の森、その森に封じられし魔物の封印が解けた。夢幻人よ、守人の召喚に応じ封じられし魔物たちを討滅せよ。
魔物は森の中央部から湧いている。外縁部に召喚される夢幻人は中央に行くほど強くなる魔物たちを倒すなどしてポイントを集めよ。
・イベント期間:○月○日22:00~24:00までの2時間(現実時間)
イベントは一種のダンジョンである専用フィールドにて行われ、時間加速により 10日間。イベント終了後、ゲーム内時間は6時間経過。
・パーティ単位の参加。
メニューよりパーティリーダーが参加登録。イベント開始時にパーティメンバー ごとイベントフィールドに召喚される。
フルパーティに満たなくても(ソロも可)参加は可能。ただしイベントのスター ト地点はランダムで振り分けられ、スタート地点が違っていた場合イベント開始 後の合流は出来ない。
・ある一定プレイヤー数ごとに、同条件の別地点(別サーバー)に召喚される。
・貢献度によりポイントが加算され、そのポイント数によってランキングが決定す る。
・獲得ポイントは一日の終わりに集計結果をメニュー内のイベントページに表示する。
・ランキングは複数用意(例:討伐ランキング など)。
・古の森の中には魔物が襲ってこないセーフエリアがありますので野営なども行え る。ただし、中央に行くほど数も範囲も狭くなる。
・イベント中に死亡した場合は最後に入ったセーフエリアでリスポーン。この際、 通常のデスペナルティは発生しないが、集めたポイントは減少する。
・イベント中に手に入れたアイテムは原則としてイベント外に持ちだせない。ただ し、集めたアイテムはイベント終了後に全てポイントへと変換される。
・アイテムの持ち込みは自由、ただしイベント中に使用したアイテムはそのまま消 費され補填はされない。
・イベント中は種族、職業のレベルアップに必要な経験値は取得できない。
(スキル熟練度は上がる)
・報酬はイベント終了後、報酬一覧から集めたポイントで交換できる。
(交換できる報酬の例:イベント限定アイテム、鉱石など各種素材、経験値)』
「なるほど……『異界の神からの神託』というのは凄いものだね。予言や予知などという概念すら軽く超越するほどの権能を備えているのは間違いない。この世界の神々が世界の管理者だとしたら、異界の神々はまるでこの世界そのものを創り出した創造神だね」
アルの悲鳴から始まった朝の騒動がひと段落して、おかみさんの朝食を頂いてから全員でリイドへとポータルで転移。結局は日をまたいでしまったが、神殿に集められた皆の前でイベントの告知をウイコウさんに報告する。
別に隠すこともないかと、運営からもらったメールをコピペしてウイコウさんにチャットで送ったんだけど、さっきのがそれを見たウイコウさんの第一声。そして、さすがはウイコウさんである。イベント告知のメールを見ただけでほぼ正解を導き出している。
しかもメールの内容自体は私が見ている文字そのままを見ている訳ではないようで、大地人の人たちが見た場合は、内容の一部が強制的にそれっぽい言葉に変換されて見えるらしい。例えば「イベント」は「災厄」、「ポイント」は「加護」に変換されているようだ。
「私は召喚に応じようと思っているんですが皆さんはどうしますか? 召喚される対象は夢幻人のみらしいですけど、私とパーティを組んでいれば一緒に古の森に召喚されると思います」
「そうだね……コチ君が行くのなら勿論私たちも協力する。そこは検討するところではないよ。問題は残りのメンバーをどうするか、だね」
検討するまでもなく、当たり前のように協力すると言ってくれることにこそばゆいものを感じてしまうが正直嬉しい。
「ウイコウ! 俺は絶対に行くからな。メンバーに入れておいてくれ!」
「……コチ君は何か意見はあるかい?」
ウイコウさんは自信満々に主張するアルの顔を軽く片手で払いのけると、私に意見を求めてくる。さて、どうしよう。ぶっちゃけリイドの住民は全員が勇者級の達人。誰が同行してくれてもそれなりにやれる気はする。それでもあえて意見を述べるなら、今回のイベントの内容から考えるとまずは……
「そうですね……今回召喚される場所は森の中ということですので、戦闘は小回りが効く方がいいかも知れません」
「うん、いいね。基本はそれでいいと思う。そのうえでキミなら誰を指名するかい?」
おそらくウイコウさんの中ではもう、大体のメンバーは決まっているんだろうな。そのうえで私の作戦能力を鍛えようとしているっぽい。間違っていたら修正してくれると思うけど、しっかりと考よう。
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