第3話魔法の実験

「ハルマ〜起きなさい、朝よ」


 毎日のように俺を抱いて起こしてくれる母のハナ。大体毎日同じような時間に起きてるから、自然と俺も覚醒する。


 昨日は、あの後侍女に魔力の扱い方を教えて貰った。あと名前と。


「マリナ、ちょっとハルマを頼むわね」

「はい、奥様」


 そう。マリナという名前だ。


 魔力の扱い方を教えて貰ったおかげで、暴発するような事は無くなった……と思う。

 いや、まだそんなに試してないんだよね。だって、一回であの量の魔力だよ。俺の魔力ほとんど持ってかれたっての。


 それにしても、マリナは教えるのが上手だった。教えて貰ってからすぐに覚えることが出来たのだ。マリナ曰く「坊っちゃまの飲み込むスピードが異様なんです。決して私の教え方が上手だった訳ではありません」だってさ。謙虚すぎるよな〜。


「そう言えばマリナ、貴女をハルマの侍女として任命するらしいわ。後でゲルマの所に行ってね」

「っ!承りました…」


 マリナは相変わらず無表情だが、俺には分かった。今、マリナがびっくりしていたのを。


「さぁ、ハルマこっちへ来なさい。マリナは行かなきゃ行けない場所があるからね」

「あい!」

「では、旦那様の所に行って参ります」

「ええ、行ってらっしゃい」

「あいあ〜い」


 マリナは、お辞儀をしてから部屋を出ていった。多分、ゲルマの執務室に行くんだろう。


 しかし、驚いたな。まさかマリナが俺の侍女になるとは。

 でもまぁ、分かってたっちゃ分かってたんだがな。何故かマリナは毎日俺のそばに居たし、そのうち俺の付き人になるだろうとは思ってたし。それが今とは思わなかったが……。


「おはよ〜ハルマく〜ん」

「あい!」

「えへへ〜ハルマくんの笑顔見てたら眠気が覚めちゃった!」

「早く準備して学校行きなさいよ〜」

「は〜い!」


 サナは、六歳の頃から学校へ通っていて、一五歳までは学校へ通わなければならないらしい。


 六歳〜九歳までは、小等部で文字、計算、歴史、魔法についての勉強をする。


 一〇歳〜一二歳までは、中等部で言葉遣い言語、歴史、魔法や近接技の実践練習をする。


 一三歳〜一五歳までは、高等部で勉強をする。だが、選択科目と言って、生徒が自分で学びたい物を選べるんだそうだ。例えば、宮廷魔導師を目指すなら『魔法科』を選ぶし、冒険者を目指すなら『冒険科』を選ぶ。


 このように、色々ある科目の中から"何個か"選んで、先生に提出しなければならないのだ。それは、一つでもいいし、はたまた複数個でもいい。それは個人の自由らしい。

 学園は、貴族と平民を平等に扱うというのでも有名


 入学時に、首席で合格したら学園費免除且つ高待遇らしい。ちなみに、首席じゃなくても、二番〜五番は高待遇で部屋も綺麗なところにされるらしい。六番〜二〇番もそこそこ高待遇だ。部屋もそこそこ綺麗。

 だから、平等に扱ってるという"嘘"に騙されて入学する平民も多いんだとか。しかし、残念なことに学園は化している。つまり、序列が組み立てられているのだ。


 序列的には

 学園長>生徒会会長>Sクラス>生徒会副会長>先生達>Aクラス>生徒会役員>Bクラス>Cクラス>Dクラス


 ってな感じだ。生徒会長さんや、あんた一体何者……。

 まぁ、それはさておき。

 これが通用するのは中等部までらしい。

 高等部からは順位があって、一年に四回行われる大会のようなもので順位が決まるらしい。

 例えば、一〇位と五三位が戦い、五三位が勝つとする。すると、一〇位が五三位になり、五三位が一〇位になるのだ。そのまま順位がひっくり返るんだな。

 そして、強さを争って行くらしい。対戦相手は学園側が決めるので、不正は一切無いとのこと。学園長が不正をめちゃくちゃ嫌うかららしい。


 ちなみに、サナは中等部に入りたてで、今はSクラスらしい。まぁ当然だろうな、なにせもう既に短剣術と拳術を覚えてるんだからね。

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