4
急加速。
「ッッ!!!」
慌てて
「――」
「ッ! 、」
――暇など与えてくれない。
黒装束が背後に
爆風で動きを狂わされないよう、同じく
明らかに魔術的な
だがそれは――
「
『ッ!』
俺の足元から
怯んだ奴を更に――
青い光。
「っ……!? う、ッ……!」
頭の上を
何とか避けきったその一瞬で、矢継ぎ早に次のジェットパンチ、ジェットキックが襲い来る。
先も見た蛇のような動き。そしてまるでバーナーを小刻みに点火するような音をたてながら、敵はジェットを小出しして急加速の変則攻撃を繰り出し続けてくる。
絡み付くような独特の動きはまるで中国拳法の一種。
加えて急所を的確に狙ってくる、体術というより暗殺術とでも言うべき連撃。
バジラノお抱えの暗殺者と言ったところか、気が付けばあっという間に防戦一方になってしまっている。
だが――――
「
『ッ!?』
不可視の弾丸に仮面を不意撃たれた黒装束が
すかさず
「!」
その装束にはわずかな裂傷がつき――その下に、ホログラムのような光をちらつかせる鎧が目に入った。
見かけによらず防御も固い。
顔は仮面、体は鎧と装束。
その重装備で、あれだけ動けるか。
つくづくとんでもない手練れだ。
斬るでなく突くべきだったか。アヤメの時のように――
「ッッ!!? づ、ァ゛……!!?」
『?』
――久しく感じなかった気がする目を切るような電撃が、脳を走る。
矢が目の前。
「ッッッ!!!!?」
こめかみと耳に激痛。そして――――側頭に喰らった蹴りで体が吹き飛ぶ。
大して天井が高くもない廊下の入口で、体が完全に浮くほどの勢いで
呪いも吹き飛ぶほどの衝撃と揺れに立っていられなくなる。
「う、ァ――!!」
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