23
「ずわはは! 綺麗事ばかり並べよる世間知らずの小娘めが!!」
「~~~ッ!!」
「それにな――俺だけではない。この国を滅ぼしたいと思っているのは俺だけではないぞ。少数と言えど弱いと言えど、貴様等がここまでに戦ったあれだけの者達がリシディアを滅ぼしたい、そう強く強く願い俺の
「……――ッッ、」
「誰に俺の復讐を止められるものかァァッッ!!!」
〝誰が俺を止められるものか〟
〝二度と諦めない。家族の命を奪った者を影も残さず
〝例えこの身がどんなに
――誰かの言葉がマリスタの心を、
「――――違うッッ、」
「ァア!?」
たたき、はじけた。
「ッそれでもあなたが他人を傷つけていいことにはならないだろうがッッ!!!!」
〝わたしを――リシディアを助けてッ!! 誰か……だれかああぁぁぁァァァァッッッ!!!!!〟
「何をワケの――」
「それじゃずっと堂々巡りじゃないっ! 傷を負う人は増えるばっかりじゃない! あなたはそれに責任が持てるというの?」
「――――、」
「周りを見てよ! あなたはどれだけの人を苦しめたのよ!? どれだけの人を殺したのよッ!?――これだけの命に人生にその周りの人たちの悲しみに怒りに、あなたはどう向き合ってどう責任を取るつもりなの!? 自分ばっかり傷付いた傷付いたって壊して殺して傷付けてッ、」
「や――――かましいっ、」
「あなたが嫌いなリシディア家とどう違うってのよ!?」
「やかましいやかましいやかましい――」
「
「黙れェェッ!!!」
「そんなものを言い訳にッ、たくさんの人を傷つける奴なんて絶対に許さないッ!!」
「なァァーーーらばこそ真っ先にリシディアに怒るべきであろうがァァァッッッ!!!」
「もちろんよッ!!!」
『!!』
「あなたは人を傷つけない方法でリシディアを変える道を探すべきだったッ! 私達が相手したたくさんの人と知恵を出し合って、誰も傷付けずに国を変える方法を探すべきだったッ! あなたにはそれができたんじゃないのバカジジイッッ!!」
「だから貴様等は何度言えばァッ――――この国に変わる・ィ余地など・なァアいんだよォッッ!! ないんだそんなものは!」
「人が変わるなら国は変われるッッ!!」
「そうよ人が替わらねば国は変わらんッッ!!」
――肩を怒らせ。
初老と小娘は互いをにらみ、口から血をたらしながら黙り込んだ。
「……交わらぬよ、貴様と俺の
ノジオスは憎々しげにマリスタへそう告げ――再び深々と地に頭をこすりつけた。
「勝ち組どもよ。貴様等に人の心があるのなら……どうかマトヴェイだけは、マトヴェイだけは助けてくれ」
「貴様はそう叫んだ王女に何をした?」
「地獄に落ちなさいな」
「それはこちらが決めることだ」
「…………」
ガイツ、イミア、アティラスが口々に、マリスタの目の前でノジオスの希望を打ち砕く。
ノジオスは土下座したまま、砂をつかみながら震える拳を握りしめた。
「ずわ、はは…………解っておるよ」
ノジオスが顔を上げる。
マリスタを見て、薄く笑う。
「恨み呪うぞ。俺は貴様等を、一生な……!!」
「…………!」
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