5
レヴェーネが、そしてフェゲンが止まる。
否――魔波の感知がそう上手くない者達でさえ体に不調を覚え、立ち止まる。
やがて迫りくる津波のように大きくなってきた音と共に、その正体を知る。いや見る。
魔波の、迫りくる音の正体。
それはあさっての方角から、
「なん……だあれ、」「え?」
「――――ッッッ皆
レヴェーネが弾けるように王女の下へ飛び、懐から取り出した
「ぐっっっ――――」
振り返ると同時に飛ぶ。
既に視界を埋め尽くすほどの距離に迫る、謎のエネルギー弾。
レヴェーネは、
「――ぉぉォォォオオオオオオオッッッ!!!!!!!!!」
その相貌に似つかわしくないほどの
◆ ◆
――――城門へ続く
沈んでいく瓦礫の中、逆に浮かび上がってくるのは数多の死体。
血で赤茶に
そんな水面に、「
「んん゛っ……ぶは、ァ、」
断続的に降る瓦礫の雨の中、
「……五体満足か。とっさに飛び込んだのが
周囲の死体、顔の焼けるような痛み、鎧の損傷具合を確認し、ごちた老騎士が上を――堀の上部にそびえる城を確認する。
城門へ通じていた橋は既に跡形もない。
巨大な
「――なんと」
見上げた城は、もはや城と呼ぶのをためらうほどに破壊されていた。
まるで
絶え間なく落ちてくる瓦礫の正体は、辛うじて建築として成り立っているもう半分の城の
(
そんなものを繰り出せる力を持った人間を、フェゲンは一人しか知らない。
老騎士は力無く、吐き捨てるように笑った。
「カカカ……まったく手荒いことをしおる、バンターめ……どう王壁の消失を察知したやら」
「ぶがぁっ!?! がっぱ、ぁ、げほ、おェ、ごげぇッ……!」
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