第76話 ひるがえる白き
1
王都ヘヴンゼル、ヘヴンゼル城前。
そこは既に夢の
攻め寄せた
そんな残暑の中を、ココウェル・ミファ・リシディアは全裸に
「しっかし……コノウェル・ミフォ・リシディアの野郎、」「ココウェルじゃなかったか?」「なんでもいいって。w あのアマ、マジでいい体してやがるよなww」「あの胸、尻、顔。犯されるために生まれてきましたって言ってるようなモンだよなw」「あー、ヌきてェ」「マジで
「……………………」
涙など、とうに流れ尽くした。
感情など、とうに死に絶えた。
そう思って心を無にしていなければ、ココウェルは到底この絶望に耐えられはしなかった。
「よもや、このような形で帰ってくるとはな。数十年を務めた我が第二の故郷に。カカ」
手枷のロープを引いていた老騎士フェゲンがロープを引っ張り、ココウェルを城の前――――時折虹色がかる
「『
「……………………」
もう自分の命は諦めた。
そう決めた。
だが、もしかすると――自分は滅んでも、国くらいは生き残れるかもしれない。
金でや暴力で団結しているにすぎず、ココウェルが見た限りでは何の志も持っていない。まかり間違っても国など担える器ではない者が大半なのだ。
こいつらが国を
あの褐色の大男さえいなければ、治安部隊率いる第五騎士ゼガ・ラギューレや
だとすれば――もしかすると皆、この状況下でも
自分のような、生き恥などは、見捨てても――――王やリシディアなら、守ろうというつもりで動いてくれるかもしれない。
わたしのように、一人でほっぽりだしても誰も探しもしない、なんてことはないかもしれない。
構わない、自分などはもう構わない―「はぁ。どこまでいっても
「 え 、 え、」
目の前に何か転がった。
目の前に
「え?」
足の小指が、
「え……」転がった。
わたしの
「――――――――ッァぁぁぁあああああああアアアアッッ!?!?!???」
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