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「お前達が我々に情報を寄こさなかったのは、『敵との全面対決の果てに
「はい」
「だがこの作戦は――――お前達は結局、奴らを武力で取り押さえようとしている。では最初から、我々に従って大人しくしていることも出来たのではないか? 自分たちが、
「いいえ、思いません。確かに戦術的には同じです、でも――――私達は、
「それは我々も同じことだ、当たり前だろう。プレジアに関係するすべての者達を守るためにこそ、
「違います」
「――違うだと?」
「はい。私達は――――王女も。敵も同様に守りたいんです」
「――――何、」
「何だと!?」「馬鹿も休み休み――」
「あなた達アルクスはプレジアの人々を守るため、王女を含めた相手側を
「――――か弱い王女を守るべきだと。切り捨てられる可能性が容易に考えられる彼ら襲撃者を守るべきだと。そう言う
「……はい。襲撃された学生達への責任は私が負います」
「もちろん、僕も委員長と一緒に――」
「理想論だ。すべてを守るなど――」
「それがアルクスの『
「そうだ。実際、無傷で襲撃者を救うことなど――」
「でもそれは間違っている」
ガイツの言葉を、リアは心を寄せるそぶりも無く切り捨てる。
「あなた達は理想を
「戦火の中でも言えるか? 君達は戦場の
「言えます。たとえどんな絶望が私達の前に立ち
「――最良の、」
「そうですっ、」
〝
「前に立つ者の役目は、ただ
「――――――、」
――若き戸惑いを浮かべた顔で。
ガイツは、無意識に右足を半歩引いていた。
「…………作業中に邪魔をしてすみませんでした、皆さん。引き続きよろしくお願いします」
リアは印象的な瞳をガイツに残し、黒髪を
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