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予定通り・・・・、呼んできましたよ先生、生徒会長。風紀委員長ふうきいいんちょうを」

「ご苦労様。手はず通りだね、セイカードさん」

「風紀……委員長だと?」

「はい。正真しょうしん正銘しょうめい、学長にも承認いただいた新しい風紀委員長ですよ。ま、今日決まって今日動き出した新米も新米の風紀委員長なので、実績はあまりないですがね」

「…………」



 ガイツは何も言わない。



 呆然ぼうぜんとしているわけではない。

 ただ言葉が出ないのだ。

 何故なら目の前に現れた新しい風紀委員長に――――ガイツは、全く見覚えなど無かったからである。



 ナイセスト・ティアルバーに限らず、風紀委員長にはこれまで一つの例外も無く、名のある貴族が就任していた。

 リシディアの貴族、その有名どころを一つ残らず記憶しているガイツは、今度は誰がその腐り切った椅子いすに腰を落ち着けたのだろうと新・委員長を値踏みしようとしたのである。



 結果、その目論見は失敗に終わっていた。



(……どこの貴族だ、こいつは?)



 ガイツの目の前にいる少女・・平凡へいぼんで、貴族らしい風格や居丈高いたけだかなたたずまいなど、何一つ備えていないように見える。



「……わかります。どこの馬の骨だ、と思っていらっしゃるんですよね、兵士長へいしちょうは。その見当けんとうは間違いではないです――――私は貴族ではありません」

「!――……」



 ガイツは一瞬目を見開き、やがて目だけを動かしながら、あきれ顔で少女とギリートを見た。

 ギリートが片眉かたまゆをひそめてニヤリと笑う。



「残念。その場しのぎのおかざり委員長じゃないんですよね、これが。話が性急せいきゅうすぎる感は否定しませんけど、まだ内示ないじの段階なので勘弁かんべんしてくださいな」

「苦しい言い訳はよせ。誰が信じるというんだ、このタイミングで決まった貴族でない風紀委員長など。『我々を止める為だけに、このイベントの為だけに急場で用意されたお飾り』。これ以上にしっくりくる説明は無い」

「うーん。今回の作戦に必要だった、ってのもまあ否定はしませんけどね」

「それで? 聞かせてもらおうじゃないか。一体貴様は誰なんだ、女学生」

「…………プレジア魔法まほう魔術まじゅつ学校がっこう中等部ちゅうとうぶだい六学年ろくがくねん二組にくみ



 まゆの高さでれるつなやかな黒の前髪の下で、強い意志をたたえる切れ長の目を光らせながら。



「リア・テイルハート。プレジア風紀ふうき委員会いいんかい、新委員長です」



 風紀委員長は生徒会長と共に、アルクス兵士長の前に並び立った。



「……ため息もん。落ちる所まで落ちたのだな、プレジアは」

「おっとっと、いきなり貴族きぞく至上しじょう主義しゅぎ的な反応ですねえ兵士長へいしちょう殿どの

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