6
◆ ◆
「もう、楽になった方がいいんじゃないのかい? そうまで隠し事をして、君にメリットがあるとは思えないんだけれどね」
「…………」
「……聞いてもいない、か。こりゃペトラも取り付く島はなかったろうね」
…………シュミレーションを、終える。
終えて、やはり頭を抱えた。
〝
ナタリーの言葉が頭を
「…………」
……
だが、どのやり方も一人じゃ無理だ。
圧倒的に――
死ね死ね死
「だまれ、くそっ……!」
――俺が弱い。その上呪い。
どんなに
力不足に泣きたくなくて、
しかし直面する壁はいつも
結果いつも
強ければ。
ただ強くさえあれば、俺は――――こんな下らない回り道をせず、堂々と
悔やんでいても仕方無いとは
俺の非力の代償を、俺一人が払うならいい。
だが今回は――
〝
〝
……お前は一体何の権利があって、誰に
〝悲しまないで、忘れないことにした。――――たくさんの
ふざけるな。
そんなことが出来るのは一部の
俺には、俺が意図せぬ人の痛みまで背負って進むことなんて出来ない。
〝だってアマセ君は、――――プレジアを救った、英雄なんだから〟
俺は英雄じゃない。
自分一人の思いだけしか背負えない、ちっぽけな
それしか望んではいないんだぞ。
〝ナイセスト・ティアルバーを倒してくれッ……!!!!〟
言った
何故だ、神よ。
なぜお前は、俺にあんなに重いものを、求めてもいないものを
〝リリスティア・キスキルっていいます。よろしくね〟
――幾度となく、
俺が一人で歩める道を、事ある毎に
まるでこの
「…………強くなりたい。強くなりさえすれば俺は、こんな…………!!」
◆ ◆
――金髪が、うずくまったまま壁に身を預けて途方に
銀髪もまた、出入口のドア
〝いつからそんな風になっちゃったのよ〟
「……『いつから』って。ずっとそうだったに決まってるじゃない、エリダ」
〝あたしだってもう……魔法使いの
「
吐かれた息が、
「自分のせいで誰かを失うことに、とっても
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます