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「あなたの前で、こんなこと言いたくは無いんだけど……アルクスも
「じゃ、じゃあ」
「でもそれと今回のこととは関係ない。プレジアを守るために王女が使えるなら利用する、それだけ。先に私達の日常を
「…………」
――その
ペトラはやっとエリダと目を合わせ、同時に肩の力を抜いた。
「っていうか、あんたはそんなこと考えなくていいんだよ。昔から言ってるでしょ、『
「いつからそんな風になっちゃったのよ」
「――え?」
予想していなかった切り返しに、思わず素の声をあげるペトラ。
エリダの
「
「……!」
「あたし達が怖がってるのはそこよ姉さん。『助けたい人たちだけを助ける』――――それってさ、世間では『ワルモノ』って言うんじゃないの?」
「ワ――――何を言い出すのエリダっ」
「だってそうじゃん! 姉さんがどう思ってるかは知らないけど、今アルクスの人達がやってることは身内の利益になることばっかりだよ! ワルモノじゃなかったら何なの!?」
「……こんなところで善悪の話はしたくないけど、あんたには解ってないだけなのよエリダ。全ての人を救うなんてできないの。助ける為には、取捨選択が必要なことだってあるのよ」
「それもごまかしだからね」
「え――――え?」
「解ってないのは姉さんの方じゃない。アルクスは『救えるだけの人を救う』
「!」
「しかも、理由はリシディアでの自分たちの評価を押し上げたいから……それで国の兵士かもしれない人たちと戦ってどうするの? 王女がプレジアにいるならどうするの?」
「そ、それは」
「何をするか解りそうなもんだわ。だからアマセは……マリスタ達はアルクスに何も言えなかったんじゃないの? 信用できなかったんじゃないの!?」
〝学生
〝どう信用しろと言うのだ。――――
〝でももう今は変わったんです!! いいえ、変わろうと頑張ってるッ!! 苦しみながら今までの自分と戦いながら変わろうとしてるんですッ!! それを、それを――――謝ってくださいよ今言ったことッ!!!〟
(…………全くだ。この状況でどう信用しろというんだ、
「アルクスのやってることは、戦争につながりかねないこと。その上プレジアの人をダメな奴らだってレッテル
「……戦争につながるかどうかなんて解らないわ。私達の行動も、もちろんあなた達の計画もね」
「でも避けようと努力してる。マリスタ達は――あたしは、リシディアそのものも守りたいから。だから、姉さんをこのまま行かせるわけにはいかない」
「……………………。一つだけ
問われ、エリダが視線を落として目を閉じる。
「覚えてるの。とてもよく」
「……何のこと?」
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