4
視界に、あるべき光景が戻ってくる。
舞台。舞台セット。そして――困惑の表情でこちらを見る、観客達。
俺がいるのは舞台の
だが――
「我が炎を耐えたとはいえ、もう限界ではないかな? 残念だがこの程度では――」
「――『なあに。人間はこんなものじゃないぞ、ゼタン!!』」
「!」
――お前の優勢はここまでだ、ギリート。
剣を構え――演出として現れた青白い光に乗せ、
「――――、」
目を見開き、ギリートが慌てて定位置に戻ってきた。
瞬間、
俺は
「っうぉ……、」
即座に対応、飛来するギリートによる演出外の攻撃。
俺は再び
「ぬ、う――」
「くっ? ぉ――」
「っ!? ぶ、づ――チィッ、」
「ッ!! う、ぐぁ……!!」
――
◆ ◆
「な……何ですかディノバーツ先生、あの動きっ」
「……プラン通りの動きと、それ以外の動きを……」
「そ――
「うるさいマリスタっ、声小さくっ!――――
「は、はいっ」
「マジかよ……アマセの野郎、どうやってあんなッ……!」
「……考えられねーことでもねーぜ、ビージ」
「は……?」
「ケイ、ずっとアルクスに
「……演技の反復をしてたってか? だがよキース、それだけであんな変則的な動きが即興でできるワケ――」
「あの動き自体。練習してたのかもしれない。
「や――約束だァ?」
「なんでオメーがそんな約束を知ってんだ、って話は置いとくとして……覚えてねーかビージ。あいつ、似たようなことをナイセストとの試合でもやってただろ」
「ティアルバーさんの?」
「今、奴が
「……! じゃ、じゃあ今のアレも――」
「ううん。今のアレ、更に――」
「……三つもかよ。ホントムカつく奴だ」
「三つって……なんのことだい、テインツ」
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