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――叫び、周囲の白い目にハッと身を縮ませたのはテインツである。
「『平民』を風紀委員長に」。
そんな、プレジア創立以来二十年、誰一人として考えなかったあまりにも、あまりにも
その上――
「……なんだよっ、『
――叫び、持っていたコップから服へとジュースをこぼしたのはテインツである。
何度目か知れない白い目をやり過ごしながら、彼はとっくにキャパオーバーしている頭でまたも思案顔に戻る。
元来打ち込んだら一筋な
しかし肝心の思案内容が迷走していては、彼の一途もまた
「……でも、理には
……壁に頭を打ち付けて悩むテインツ少年の周りを、人々は大きく迂回して通り過ぎていく。
せめて
「………………はぁ」
……否、「行き着かなかった」というのは間違いだ。
事件
その事実に、彼なりの
あてどない
〝
「……アルテアスさんは、もう二つも三つも行動を起こしてる」
父君、
学祭の中止を、劇の中止を阻止した
「
敗色濃厚な状況の中にあって、たった一日と数時間でこの行動力。
比して、今の自分はどうか。
「ッ…………ん?」
習性と言うべきか、いつの間にかテインツが向かっていたのは
そんな第二層の
(あれは……確か、)
それに対するのは――
「キモッ!!
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