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「………………。
『!!!』
誰もが胸に秘めた一言をえぐり出したロハザーに、ヴィエルナとペルドを除く全員が身を固くする。
ペルドはあっさりとうなずいた。
「……今更委員長など要らない。俺達はただ息と身をひそめ、静かにプレジアから消え失せればいい。だから俺は、委員長を
「だ――だがよペルドッ!
「
「――……クソッッ……!!」
「……俺の話は以上だ、キース。その上でもう一度
「…………」
――いいや、誰もいやしない。
――言えるものなら言ってみろ。
そうした明確な
ロハザーがヴィエルナを見る。彼女は口を固く結び、視線を下へ向けたままだった。
――テインツらの
ヴィエルナが口を開いたのは、そんな空気が場を満たしかけた時だった。
「……『俺達には』、『求められてない』。そうだね。その通りだと思う。そこに反論、ない」
「き――キースさん、」
「そうか。では結論は出たな。今は無理だが、学祭が終わり次第また正式に解散の――」
「だから変わらなくちゃ。いけないと、思うの」
「――変わる?」
予想もしなかった方向へ流れたヴィエルナの言葉に、ペルドが一度目をしばたかせて眉をひそめる。
誰もが当惑する中、ヴィエルナは静かながら決然とした
「風紀委員会、変わらなくちゃいけない。貴族がやる貴族のための風紀、いらない。貴族がやる、みんなのための風紀もきっと、求められてない」
「……そうだ、つまり風紀委員会そのものがもう求められていない。俺達の中から誰が委員長になろうが、」
「『俺達』じゃなければいい」
「……何?」
「これからの風紀委員会、は……貴族と『平民』の間の
「――ヴィエルナ、お前まさか」
ロハザーがゆっくりと目を見開く。
その意味を
小さく小さく
「新しい、風紀委員長。『平民』から選ぶの、どうかな」
◆ ◆
「なんてことを……ああもうっ、なんてことを言ってるんだよキースのやつはッ!」
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