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激しさを増していく二人。
怒声の
「あの馬鹿たちがやろうとしてることはね、もうお話にもならないほど無茶で
「! そ――それはそうだけど」
「そうだけ『ど』!? ハッ、その時点で何の期待ももてない馬鹿による馬鹿げた馬鹿らしい茶番なのだわよッ! いい? あいつらがやろうとしてるのはね、
「解ってるよそんなこと!! でもそれでも声をあげたいって、こんな理不尽がまかり通っていいわけあるかって思うから動くんじゃないか!! 結果がどうなるかなんてわからない、茶番になるかどうかはやってみないと分からないッ!! 諦めるよりずっとマシだッ!!」
「この――!!!!」
「ちょっと待ったッッ!!! 二人ともそこまでにっ、やめ――――こんなとこでケンカしてても迷惑でしょッ!!」
たまらず
怒気を収めないシータに対し、テインツはマリスタの姿を認めた
「あ……アルテアスさん」
「さすがキレ散らかしてケイさんを殺しかけたことがあるオーダーガード家の
「え……あ。わ、す……すみませんっ、お騒がせしましたっ」
慌てて取り
シータもなんとか怒りをおさめ、にじんだ涙を拭いながら顔を
その時だった。
「あ、あの……アルテアス先輩っ」
「え? あ――えっと、確かあなた」
「は、はいっ。劇の後、お話しさせてもらった者です。声が大きかったので、聞こえちゃったんですけど……アマセ先輩、アルクスに理不尽な理由で捕まってるんですか?」
「え――」
「え、あれってあの劇の人達?」「アマセっていったらあいつだろ、実技でティアルバーを倒したっていう」「あのカッコイイ人でしょー?」「へぇ、あの人たち劇なんかやってたんだ」「知らなかったのかよ、結構面白かったぜ」「俺も見た!
「――――」
ナタリーが目を見張り、周囲に広がっていく
マリスタは改めて目の前の――話しかけてきてくれた、名も知らぬ一人のファンへと視線を戻した。
少女は少し恥ずかしそうに、だがしっかりと、彼女に視線を返す。
「私、またアルテアス先輩が――あの劇が見たいです。あの……応援してます!」
「…………!」
「そっか。助けようとしてるんだね、アマセ君を」
「え?」
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