19
エリダの制止も手で払い。
生来の
「その時は一緒になって騒いどいて、今度は騒いだ人達を責める? どんだけ底なしの頭空っぽだったら言えるのかしらそんなこと。
「シータやめな、」
「大体、アンタの考えや正義感を押し付けられてもただただ冷めるだけなのだけど? 一人で一体何を
『!!!!』
「シータッ!!!」
エリダがシータを無理やり振り向かせ、胸倉を
パフィラと他数人が、おどおどとエリダを
「対案も無いのによくもまあべらべらと他人の中傷を吐けるものですねぇ、シータ? まさしくアルクスの言うが
「っ……ここまで一言もしゃべらなかったくせによくまあしゃしゃり出てきたものだわねっ。マリスタの言うことだからかばってるんでしょうけど、」
「やめなさいってシータァッ! ここでケンカして何になるのよ!!」
「ナタリーも私と同じ気持ちなんじゃなくって? じゃなかったらとっくに、この場を
「黙っていればベラベラと勝手な事を……!」
ナタリーが
シータを含む大勢は、この件がプレジアとリシディアの内戦に
マリスタと同じ熱意を求めるのは、どだい無理な話であることをナタリーは承知していたのである。
しかも、それら秘密を秘密のまま話していないのはマリスタ達だ。
秘密は秘密のまま、でも熱意を私達と同じくしろ、とは道理の通らない話だ。
「マリスタ。気に病むことはありません、シータたちは――」
「うん。
「――え?」
「――――その通りッ!」
光る涙玉と共に。
マリスタが顔を上げ、また大声を出す。
その目にもう、涙は残っていなかった。
「シャノリア先生、ティアルバー君、イグニトリオ君。四大貴族の中で、私が一番馬鹿なのは誰が見たってわかるよ」
「マリスタっ、」
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