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「私、ずっとケイ君に抱き着いてたでしょ?」
「ずっと抱き着いていた」、というのは恐らく劇中の、ユニアがゼタンとの戦いに
この笑みを見る限り、その
全くこいつは。
「……もうああいったことは止した方がいい。その後の
「うん。もうしない。あれはやっぱり間違ってるって思うから」
「さっきも言ったな、『違う』って。何のことだ」
「うん。あれは――――ユニアの気持ちじゃないなって、思ったの」
神妙な顔で、パールゥが俺の手を取る。
されるがままに甘んじた。
「私は、自分をもっと見て欲しいから、君に触れる。ユニアだってきっとそうだと思った。だから、君を長く抱き締めてみたんだけど…………その時間が長くなれば長くなる程、『これはユニアじゃない』って、思っちゃったの。どんどん、私の中にあるユニアが小さくなって……私は、
「…………タタリタを、か」
「私にはできない。私には理解できない。でも、それこそがユニアの愛で――――幸せだった。……ってことじゃないかな、って、思う。『幸せの形は一つじゃない』ってのは、どんな本にも書かれているようなありきたりな言葉だけど……その意味が、やっとちゃんと理解出来た気がするの」
「……そしてさっきの話に戻る、か」
パールゥが俺の手から離した手を、そのまま自分の胸に置く。
「辛い、って、苦しいって伝えたよね、前に。あの言葉に嘘は無いよ。でも、その『辛い苦しい』だって、私の幸せなの。だから……勝手に幸せじゃないなんて、決めつけないで」
……どこか、
俺はその顔を直視出来ずに、やや視線を落とす。
彼女に、そんな顔をさせているのは――――辛さや苦しさを幸せだと言い
もし、俺の両親が死んでいなければ。
もし、俺にとってここが異世界でなければ。
もし、俺が何の目的意識も無い、
「…………もし、
「え?」
「――私を、ほんのちょび~っとでも、
急に声色を明るくして
「……明後日。
「――ああ、分かった。今度はちゃんと――」
――扉を破壊したような、激しい音と共に。
楽屋の扉が、開け放たれた。
◆ ◆
「ッたくもー! あのバカ
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