5
抱きしめていた両手でパールゥの両肩を
元々、
ああ、神様。
「――――――」
「あ――ぁあ、わ、悪いっ。すぐ
〝兄さん〟
「――退くからっ」
――また俺は、どうして夢で見た妹の姿などで我に返っているのだろうな。
ガタガタな体の感覚をどうにか叩き起こして、今にもパールゥの上に崩れ落ちてしまいそうな自分を
しかし、まだそれが
俺は上体を起き上がらせた勢いのまま今度は後ろに倒れそうになり、どうにか
見ればパールゥも状態を起こし、床に腰を落ち着けている。
俺が彼女を見たのと、彼女が俺を見たのとは、ほぼ同時だった。
薄闇のせいか、こんなに近いのに感情の読み取れないパールゥの目。
でも彼女のお
〝お前は意図的に人の心を
――――――なんて考えてる場合か、
「ごめん」
言葉と同時に、頭を下げる。
まだ少し頭痛がしたが、無視する。
そんなことより、今は――――勝手に彼女を
〝俺はお前と、
〝一人舞い上がって
〝俺はお前と学祭を回らない。それ程の借りを作った覚えは無い〟
一体彼女の想いに、どれだけの拒絶を突き付けてきたと思ってる。
それなのに、俺は自分の都合で彼女の気持ちと体を
屑以外の何者でもないではないか。
パールゥは何も言わない。それだけで、胃にずっしりと重りが乗ったような気持ちになる。
俺は更に続けた。
「普段あれだけ
「いいよ」
「…………え?」
「謝らないで。私、今……すっごく
「う。……嬉しい?」
「うん。だって、アマセ君が私を抱き締めてくれたんだよ。こんな
「…………」
「そうか」と。
じゃあ、これ以上を気をかけてやる必要は無いな、と。
そう切り捨ててやりたかった。
それがこれまでの
「…………そんな辛そうな表情の奴から出る言葉か。それが」
――――そんな言葉がかけられるものか。
俺の行いで、こんなにも
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