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彼女の吐息が
――――
ここは楽屋。
誰かが入ってくれば、一発でアウトな状況だ。何がアウトかは
それは認識出来ているのに、離れない。
ケイ・アマセは、目の前の少女から離れられない。体を
まるで、自分とは別の意識が体を乗っ取ってしまっているように。
……呪いのせいだ。
先程の狂おしい程の
とはいえ、本当に何なのだ。
こんな「痛み」など、呪いはこれまで一度たりとも訴えてきたことは無い。
あの
だがそれは痛みのある呪いの
呪いの進行と捉えるのは簡単だが、これまで呪いの
……
状況も
それがやけに大きく聞こえるのは、きっとパールゥの鼓動も混ざっているからであろう。
二つの心臓が溶け合い、一つの大きな心臓となったかのように。
「……けいくん……」
「っっっ……!!!」
今、決して起こしてはならない俺の中の一部分に響き、しきりに揺さぶってくる。
「……私は――――みんなに見つかっても、いいよ?」
〝兄さん〟
――――
更なる揺さぶりのつもりだったのだろう。
冗談でなく、本当にここで――つまり、
怖いことだ。
「っ!? ケ、ケイ君?」
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