3
「…………。ケイ君」
――――――耳元で、声。
体温。
張り詰めていた神経が、温かな体によって覆われ、ゆっくりと溶かされていく。
パールゥは、
「………………」
「っ、」
パールゥが俺の頭に左手を乗せ、優しく
髪が乱れない程度の程よい強さが、体全体を
息が近い。
いや、近いなんてもんじゃない。彼女の体は今、
そう、すぐ傍、すぐ耳元で――
「……ケイ君」
「っ! ぁ――――」
また。
響く。
どうなっているのだ、本当に――本当に。
パールゥが、まるで
気付けば俺が取ってしまった手はとっくに指を
黙れ。
黙れ黙れ。死ね。
「……ぐっ……!!」
しかし、呪いは確実に俺の中から減じていた。
神経が
今こうして抱かれていなければ、俺の中のむず
離れなければいけない。
だって、俺の中で今、呪いの代わりに膨らんできているのは――――呪いと同じくらい
熱い。
少しでもこの熱さを追い出そうと懸命に息を吐くが――その
呼吸にパールゥの甘い
いっそ、全て解放してしまえれば――――馬鹿が、今何を考えた?
ふざけるな。俺はそんなことをするためにここに来た
そんな――――そんなのは、ダメだ。ダメに決まっている。
とにかく離れるんだ。
一刻も早く、離れなければ――――
「ケイ君」
――――――震えた。
脳が、震え、
「――――――――抱きしめても、いいよ」
「――――――――――
――――――、 。
その言葉を、俺が認識するより早く。
手を振りほどき、ケイ・アマセはパールゥを
「んっ」
俺にしか聞こえない、短く高く小さな声。
体中に押し付けられる、
鼻を
じわりと
耳元に感じる
何もかも、この身体が欲していたものだ。
胸の
体を支配していたどうにも耐え難い不快な痛みが、
それとは別の、また
「――っっ」
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