19
「おおおおおおっっ!!!」
進んだと思ったら急停止。
停まったと思ったら、光の波動。
足の
「あと半分……半分だよッ」
祈るように手を組んで見守るパールゥ。
だがエリダがスタミナを切らし、コケることが多いのはここからだ。
シャノリアは、そんな彼女に一切の言葉をかけることは無く――そして、エリダも無限に繰り返される練習に、いつしか弱音一つ吐かなくなっていた。
何が彼女にそうまでさせたのか、俺は知らない。
単なる維持かもしれない。見えないところで、シャノリアにいたらない
たかが劇で何をそんな
でも。
「プデス――――ッッ!!!」
そこにはきっと、彼女にとって
その瞬間に
「終わりだ!!」
そう
不安になる程の、背後の舞台セットが見えなくなる程の
クヲンの放った光の波動が目前数センチの岩を砕き続けるが――――光の及ばない部分の石は、既に彼女の体を
「くっ――――そぉぉぉぉぉぉぉ――――ッッ!!!」
岩が、クヲンの頭を圧迫する。
側面から迫った岩によって、体を成り立たせるクヲンの骨が
圧殺。
次に予想される
少しだけ思う。
本当に、クヲンという女性はこんな目に
こんな逆転劇を、繰り広げたのだろうかと。
「――――?」
プデスが
これは恐らく、クヲンから知覚出来る魔波の
「ずらぁぁぁぁァァッッッ――――!!!」
「!!?」
「化身」という存在に触れ続けていたクヲンだからこそ、
この
「な――――何が――――っ!!?」
魔法そのものとなったクヲンが、光の波動となって岩を
破砕直後に再生する岩の壁。
ならば、破砕と同時に懐に飛び込めばいいだけのこと。
『うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉッッ!!!』
クヲンの
空間が
タタリタ達の目の前で、
「……クヲ、ン」
空さえ吹き飛ばさん勢いの爆発を、
プデスも、そしてクヲンも。
以後、皆の前に姿を現すことは無かった。
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