8
「い、いや……」
――何かザラザラした痛いものが顔面に当たった。
慌てて周囲の舞台セットを確認する。――幸い、舞台が崩れてきたわけではないようだ。一度リハーサル中に崩れて大変なことになった。
手元に落ちてきた
それはボロ布に包まれた、舞台セットにも使っている木材の切れ
――――ご丁寧に
誰かが意図せねばこんな加工物が飛んで来る訳が無い。
嫌な予感がし、飛んできたであろう方向――目を
「…………………………」
ツン、と素知らぬ顔をして明後日の方向を見る、パールゥの姿があった。
…………一歩間違えばリフィリィに当たっただろ。コレ。
いやまさか、本当は彼女に投げるつもりで……?
「ま――まだかかるかな?」
「あ――いや、悪い。すぐ着替えるッ」
――表の声を聞くに、今は戦闘シーンの中盤。
急げばしっかり間に合う。
――こればかりは、説教してやらねば。
布を足元に打ち捨て、俺は
◆ ◆
戦に
タタリタ達は怒りに燃え――戦いは、ヌゥ殺しに関わった
物語
しかし。
「なんなんだよあの力の差はァっ!!」
「お、おい落ち着けクヲン! 騒いだって皆が不安になるだけ――」
「誰も亡くしてねぇお前にはわかんねーのさカンデュオ!!」
エリダ演じるクヲンがものすごい
とても少女とは思えない剛力の持ち主である。
「や。――やめろよ」
「私はね、親兄弟友人恋人、何もかもを神に奪われたんだ!!
「――だったら今から一人で行って殺されでもしてきたらどうだっ!?」
「ンだとテメェこの――」
「やめろ、やめ――やめろって二人とも!!」
クローネがクヲンとカンデュオを引き
クヲンは石くれを
「……どだい無理な話だったんだ。神に勝とうなんて考えが」
「カンデュオ……」
「クローネだって間近で感じただろ? 同じ魔法の力を手にしたと言ったって、あんなに
――問題はそこだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます