5
質量を持った雷のように
「ぷえ、ぺっ……ゆ、ユニア! だいじょぶ!?」
「くっ……まさか、神がここに――!?」
身構える三人。
果たして
「――
「はッ――――」
八メートルはあろうかという体長の、白き
「――
「嘘……どうしてこんなところに
「嗚呼、騒ぐでない、ない。
「というか、しゃべってるっ……?!?!」
あんぐりと口を開けるタタリタ。
身構えたまま固まっているクローネ。
ユニアだけが言葉をしかと聞き取り、白竜の身体へ目を向けた。
「ッ……ひどい傷……! 血が
「むやみに触らぬことだ。どんな呪いがお
「呪い?……白竜、あなたは…………神に傷付けられたのですか?」
竜が、人の拳ほどもある目をバチリとさせ、目玉を一瞬ぎょろつかせる。
「神」という言葉を聞いたとき、白竜は少しだけその
「ど、どうして神が竜を攻撃するの? そんなこと聞いたことも――」
「タタリタ、待った。――――ユニア。
『!!』
ユニアとタタリタが、驚きの表情でクローネを見る。
白竜が一瞬目玉を
「…………愚かな子だ。
「では受けるのだな、治療を。ユニア」
「う――うん。包帯をありったけ。それとアロエの
「わ――分かったッ! 死ぬほど持ってくるから!」
「了解。針と糸は――通りそうないから、竜の
「お願い」
クローネ、タタリタが一時去る。
ユニアはしばらく前からもごもごさせていた口から
「……なんと恐れを知らぬ」
「大丈夫よ。これまでも、神に付けられた傷口から呪いが移ったことなんて、ないから」
「!…………嗚呼、そうか。このような小娘でさえも、駆り出されているのか」
「だから今は黙って。命を
「…………」
以降、白竜は何も言わず。
ユニアによる手慣れた治療が功を
音と光が、舞台上の時を前に進める。
彼の隠れ場は、この
いつしか彼らは、友人のように言葉を交わす仲となり――その時は、急に訪れることになる。
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