4
暗闇の中、ロハザーらの
十四歳になったタタリタは、無数に突き立つ墓の丘で泣き崩れていた。
成長したユニアも悲痛の面持ちで彼女に寄り
「……今度は、おじさんの番だった。そういうことだよな」
「クローネっ。今そういう――」
「あっていいのか?」
「――え?」
「こんなことが……ただ神の
「――――」
「父さん……父さん……ッ」
激情に支配された二人にかける言葉を見つけられず、座り込んだタタリタの背に頭を預け、ただ
吹き荒れる怒りと悲しみ。
のち湧き上がる反逆の火と、
そして適度に刈り取られる戦力と、神々が望むモノ。
もう何度繰り返したか知れない、神への
「……いっそ、やめちゃったらどうなのかな」
「はっ?」
頭に血を上げたまま振り向いたタタリタに、ユニアは気後れすることなく告げる。
「神様に、逆らうの。そしたら、
「――あいつらは私たちの心が湧き立つだけで、望むモノを手に入れる。今更戦いをやめたところで、あいつらは私たちの心を手に入れ続ける! 解ってるでしょユニアにも。変な気休めを言わないでよっ!」
「でもそれじゃあ神の思うつぼだよ!?」
「だとしても、戦いをやめるのは難しいよ、ユニア。俺達に心があるからこそ」
「……心が」
「大切な人を、幸せに生きられるはずだった未来を奪われて、皆怒りと悲しみに満ち満ちている。それにここで戦いをやめてしまえば、これまで死んでいった全ての人達は
「…………じゃあどうしたらいいの?」
ユニアの
タタリタが怒りに任せ、地に手を打ち付け続ける。
クローネは苦しげに目を閉じた。
どうしようも、無かった。
「……せめて、私達にも」
神との間にある、文字通りの天地の差。
「私にも、あいつらと同じ力があれば」
魔法を使える者達とそうでない者達。
それは
「――神を
人である限り避けられぬ、「死」を
故に。
『――――ッ!!?』
彼らは、神へ近づく道を選ばざるを得ない。
「――――誰、なの?」
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