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「ったく。……ま、彼が文句を言いたくなるのも分からないではないけど。それくらいには、
シャノリアが、充実した笑顔を見せる。
それはいつも見せる
本当に好きなんだな、
「今できる、最高のものが仕上がったと思います。責任は全部取るから、あとは舞台で思い切り楽しんでおいで。その姿を、きっと観客も心待ちにしてる」
『はいっ!』
ビリビリと空気を震わせる声を受け止め、シャノリアが円陣の中央へ手を差し出す。
……そういうのは好きじゃないんだが、ここまできて皆の士気を下げられない。観念して手を重ねた。
すぐにパールゥが手を重ねてくる。俺の視線に、彼女は笑って応じた。
「――――やるぞッ!!」
シャノリアの
円は収束し、そして――舞台裏に散った。
「よろしくお願いします!!」「っしゃァ!」などといった声が散り散りに聞こえる。
そこまでの熱意は持てないが――どこか
「頑張ろうね、ケイ君っ」
「ああ」
「色々あるけどっ……今だけは忘れて集中してこーねッ!!」
駆け寄ってくるパールゥ。
バシンと俺の肩を叩き、去っていくマリスタ。
これから数十分は、舞台裏での待機時間。この
パールゥと共に、薄暗い舞台裏へと引っ込む。
「……ドキドキする?」
「ああ、少しな」
「ケイ君でも緊張するんだ」
「そりゃあ」
「ふふ。あ、
薄い板と角材、垂れ下がった布などに
主に役者が持ったり、身に付けたりする小さな道具――小道具はそんな役者達の足元に
「ケイ君は、ちゃんと剣持ってる?」
「ああ。
小道具の位置、シーン
――残る、
「じゃあ……呪いは?」
「……分からない」
「さっき……イベントの時は、なんだか劇の練習の時より動けてたよね。好きな子と一緒にいると落ち着いたりするのかなもしかしてっ」
「いきなり
「じゃあ……ホントにあの時は、どうして動けてたの?」
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