13
ポカンとするチェニク。
眉間にシワをよせるビージ。
もっとも近くに居たロハザーだけが、俺に顔を寄せてきた。
「……思考過程スッ飛ばして手段だけ言ってんじゃねーよ作戦会議の場で!」
「お前達に頼むことを先に言ったまでだ。追って話すから座れよ」
ロハザーが舌打ちし、ヴィエルナの隣に戻る。
全員を見回し、俺は口を開いた。
「……ここだけの話にして欲しいんだが。さっきの意味不明なイベント前、俺が
『しゅらば?!!?!』
鬼のように顔を
「自分で言うなよ。修羅場て。イカレてんのかお前さんは」
「手っ取り早く伝わっただろう。ここには当事者も何人かいるから、詳しく知りたいなら勝手に聞け」
「さりげなく
「その時一緒に居た中に、一人その……見慣れない女が居ただろう。トルト」
「見慣れない女……? いたかいそんなの。ハイエイトよ」
「や……全然覚えがないスけど、俺には」
「
『ろしゅつま?!!?!』
「黙りなさい野郎共!!!」
「居たな」
「居たぜ」
「……最低あんたたち……」
ナタリーの
〝お前たちの
…………進める。
「その女。リシディアの姫君だ」
『……は??』
「リシディア王国第二王女、ココウェル・ミファ・リシディア。教科書に写真も、時には名前さえ
◆ ◆
「……黒じゃねぇかよ、それ」
「誰がだ? 王女がか、お付きの騎士がか? それとも両方か、後ろのもっと大きな存在か」
「や、そりゃあ……」
ビージが黙る。
以降は、誰も
皆、それぞれにこの情報――――王女が黒幕に一枚噛んでいるかもしれない、という情報――――を
一瞬の一撃でマリスタを倒した腕。
このタイミングでのお忍び訪問。
使った
そして、これを話したことで――もう後には引けなくなったということ。
全てを話した。
「……確証が、欲しい所ね。彼女たちが、襲撃者のボスだという」
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