5
――――沈黙。
それはきっと、
「…………限りなく怪しいこの状況で、お前を信じろと。そう言うんだな、アマセ」
「ああ。時間をくれ。俺を信じて、待っていて欲しい。俺が握っている情報が、本当にこの事件の真相足り得るのかどうかをハッキリさせるのを」
「――言いたいことは
『!!』
「ちょ――ちょっと待ってくださいッ!」
「そしてお前に問おう、マリスタ・アルテアス」
「っ、ぁ、」
言葉でマリスタを征すフェイリー。
マリスタはまるで指先を眼前に突き付けられたかのように
「この男は今を以て
「…………!!」
全員が、何も言わずにマリスタを見る。
――――
フェイリーの決定はごく自然だ。
俺でもきっと、彼の立場ならそう決定し、明らかな
だからこれは、予想通りの結末。
この後フェイリーと、
俺が
情報が多数に知れてしまえば、敵に
ごく一部の信頼できる仲間だけに話し、ジワジワと信頼を集め、策を練る。
これが今思い付く最善の策だろう。
後は全員を口車に乗せて――――俺を助けようとして、きっと今ここで口を割ってしまうであろうマリスタが持っている情報が、俺と
「……話しません。私も」
「――っ!?」
フェイリーが小さく目を見開く。
しかし、
「ま……マリスタ? 何を言うのです、今
「無いよ。無いし、すごく疑わしいけど……私はケイを信じようと思う」
「――――」
「――――」
……ナタリーと共に固まる。
ギリートが、そしてリセルがこちらを見ていることに気付き、努めて表情を平静に保つ。
いきなり……いきなり何を、突拍子も無いことを。
「……発言の意味は解ってるのか?」
「……解ってます。あっ、でも、それだと……私もアルクスに、捕まっちゃいます?」
「捕まるに決まってるでしょう? 一時の気の迷いですよね、考え直してくださいマリス――」
「じゃあ俺も捕まえてもらわなきゃな」
――およそこのタイミングで聞こえる
俺とフェイリーの間に、ぶ厚い筋肉の壁が立ちはだかった。
「!?」
「び――」
「――ビージ・バディルオン……!?」
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