7
ケイミーが駆ける。
アトロと俺の魔力量にそう差は無いような気もするが、不確定過ぎる賭けには出られない。
しかし
一発一発に込められた魔力の充実度――実際、弾丸の
それは出力だけを上げた、魔力便りのパワープレイとは
――対応された、か。
今出来ることの、何もかもに。
弾丸を撃ち切り、ケイミーの拳を受け切る。
「――あんたのおかげだよ。アマセ君」
「……は?」
「
「…………俺が変えたのか。そんな風に」
「あんたしか言わなさそうな言い方だね、それ……でもその通りかも。ううん、その通りだ。あんたが私達を変えて、そんで……この二ヶ月、学祭の準備やら
「……そっか」
〝ケイはすごいよ。たった二週間で、私をこんなにも変えてくれちゃってさ〟
〝変な奴だよテメーは。こうして話してると……こころのよどみが抜けていく気がする〟
〝逃げて逃げて、今の私なの。だから今度、ちゃんと、向き合って強くなりたい。みんなと。自分と〟
「それに、一人じゃダメだった」
「一人じゃ?」
拳の
やはり打たれ、吹き飛んだのは俺の方だった。
またも地に背を付け滑り、倒れる。
「くっ……」
「うん、一人じゃダメだった。だから、アトロと一緒に頑張ることにしたの」
「…………」
「今だって、たぶん一人じゃあんたにここまで優勢に立ち回れてないと思うし……でも、アトロと一緒なら――私ら、プレジアでもちょっとした名コンビだよ! って、つもり。ていうか。へへ」
〝こういうのに出れば、あいつも少しは変わるかなって思ったけど〟
〝変えるべきはあんたの態度じゃないのか〟
〝お前は意図的に人の心を
〝どうして私に深く関わろうとしてくれないの? どうして私に深く踏み入ろうとしてくれないの?〟
〝正直君はもうダメなんじゃないかと思ってたんだ。――でも、君の周囲は全然そう思ってない人が多い。君の意志を理解し、信じている〟
――――それが、俺の「弱さ」だというのなら。
「――いいコンビだな。お似合いだ」
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