2
――憎さが目を
マリスタは、ココウェルがそれまでとは
「あんたが王様じゃなくてよかった、って言ったの。もしあんたが王様で、国を動かす政治に関わってる人だったらと思うとゾっとするもの」
「――――黙れ、」
〝どの本を見ていても、お前の写真だけは
「――ああそっか、
「やめろって、」
すりつぶされたような声で目を引き
それを目にしてなお、彼女の口は止まらない。
「『こんなのがリシディアの王族なんだ』って、そう思われるのが嫌だからだ。だから写真を隠した…………そうして誰の目にも止まらなかったから、あんたがこれだけ騒いだって誰も気付かない。あんたが王女様だなんてことは」
「やめろって!!!」
「あれ、でもちょっと待って? 確かリシディアの王族って今――――王様と、王女一人以外は死んじゃってるって教科書に書いてあった、よね」
「うるせぇっ! うるせぇっっっ!!!!」
「――――うわ、嘘。あんた、このままいったら自動的に次の王様ってこと?」
「――――ッッ――――」
震えるほどに顔を怒らせ、ココウェルがマリスタを見る。
マリスタはその姿にどこか見覚えを感じ
「……ヤバいでしょ、それ。仮にあんた――いや、あなたが私より年上だったとしてさ。そんな状態で、
「…………………………」
――ココウェルは口を閉ざし、ついには黙ったまま
マリスタはようやく、その姿をちゃんと見ることが出来たように思えた。
「……私が言うのも、何だけどさ。もうちょっとどうにかした方がいいよ。王様だってもう結構お年でしょ? もうちょっと、大人にならなくちゃ――」
「――やがって」
「――え?」
マリスタが首をかしげ、聞き返し。
ココウェルは、これまでにないほどの殺気を込めて、彼女を
「分かった風な口を利きやがって――――!!!!!!!」
――――世界が
異常な怒気を
「……これだけ言ってその反応?」
だが、マリスタは気付かない。
王女の発する異常な魔波を、感知しない。
「ほんっとどうしようもないバカね、あんたはッ――――!!」
マリスタが再び拳を握り、ココウェルへ向かう。
ココウェルは
「殺す…………
「ッ!?」
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