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ナタリーが視線を
「このリシディアという国。ディノバーツ先生は、一度もおかしいと思ったことはないのですか?」
「お――大きく出たわね、国だなんて」
「暗い部分が多すぎるのです、リシディアは。人間と魔女の対立が
〝僕、最近よく
「
――きっとギリートは、自分が
事あるごとに信用を
一体何をそんなに恐れているのかあのコミュ
そうも言っていられなくなったのは、ナイセストが「痛みの呪い」を使用した
呪いの開発者。使用者。
そして、今回の記憶を奪う事件のターゲットにされている人物。
そして、いずれもに国そのものの関与が疑われる、という異常事態。
ナタリーは、急に何かとてつもなく巨大な闇に、自分一人で立ち向かっているような気がした。
そしてその闇は実際、実力行使という形で彼女の前に姿を現した。
〝お前なら信用できる〟
誰を信用し、誰を疑うか。
目につく全てを疑いながら慎重に動く必要が、ナタリーの中で急速に立ち上がってきたのである。
そして、ナタリーのそんな思いは瞳を通し――――目の前のシャノリアに、どこか
「あなたは何か知らないのですか、先生。あなたもニ十歳以上で――あの内乱を経験した人なのでしょう?」
「わ……私?」
シャノリアが困惑気味に
「知ってるワケないじゃない、よく知らせを聞いていたくらいよ。その知らせだって、『
「ディノバーツ先生は大貴族の一、雑に言えばあのティアルバーと同類ですから。いかに幼かろうと疑う余地はあるなと思ったまでです。それに」
「ああ……でも、
「――お姉さんも亡くなっておいでだったんですか?」
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