6
「くうっ……!」
かがみ、両手で頭を押さえて回避するパールゥ。
辛うじてナタリーから視線を外さないようにしつつ、打球のような速さで飛んでくる砲弾からほうほうのていで、逃げまどう。
負けじと
圧倒されている。
人は私の状態をそう言い表すかもしれない、とパールゥは思った。
「どうして――ナタリーだって魔術師コースなのにっ」
「だから何です?」
「は……!?」
「当たり前でしょう、最低限の
「っっ……!」
「結局口だけだったようですねぇ、貴女のケイさんへの執着も。今後一生嘲笑してあげますから、精々ご自分の力不足に泣きを見続ける人生を送ってくださいな。色ボケ女☆」
「――――――言わせておけばっ!!!」
もう
数発当たろうが構うものか。
足をナタリーへ向ける。
――――それは彼女の姿が見えなくなるほどの、
「ぁ――――」
とっさのことだった。
今まで出したことが無いくらいの大声と放出魔力で
無我夢中で射出し、明らかに数で負けている弾幕に真正面からぶつけた。
爆音。
衝撃。
浮遊感。
「っっ!! ぁ――――!!」
浮遊感を失った体が地面に叩き付けられるまで、そう時間はかからなかった。
打ち付けられた体全体に
でも止まっていられない。立ち上がらなければ、すぐにでも。
前後も解らず立ち上がり、
彼女と目が合ったのは、同時だった。
「――――」
「っ――――」
その中に、怒りに
あの
弾丸が装填され、ナタリーの背後で回転する。
数はさっきより、ずっと少なかった。
「――――どうして撃たないのっ」
「はい?」
「どうして今撃たなかったのかって聞いてるの! 決着付けたいなら今の――」
「別に?」
「――――は?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます