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「何言ってっ、話し合う余地なんざねーって言」

「しゃ~~~っべらないでくださいココウェルっ!! お願いですッ!!! そこ二人も!! オーケー?!?」

「クソワロ」

「ナタリーッ!! あ、わかったわかったケイ君っ!! もうしゃべらないからっ」

「というか別に私は話し合うこと無」

「発言は法廷でだナタリー!!会場はどこがいいかなああそうだあのナタリーが居た喫茶店きっさてんだそこがいいそうしよう来るのはこの四人だけだ余人よにんに飛び火させるわけにはいかないからなもちろん俺も同席しようトコトン心行くまで話してあわよくばそこですべての関係に決着を付けようじゃないかハイ決まり!!その前にちょっとトイレ休憩きゅうけいはさもうか!!!挟んでる間に俺落ち着くから!!!」

「ちょちょちょちょケイ、思考から心の声から全部ダダれだから!! もしやこれも呪いの……!?」

「口を閉じて!!!!トイレ休憩開始!!!解散!!」

「本当に動転してんですね、今のこいつは……関わりたくないので私はこれで」

「待てナタリー!!!」

「ッッ!? ちょ――肩をつかまないでいただけます!?」

「居てくれ。ここに。れいせいなのがおまえしかいない」

「いや自覚はあるんかい……じゃなくてイヤです。なんで私が」

「頼む……ッ」

「キモい近付くな警備呼ぶぞ二十メートル離れろ」

「警備来てねーワケねーだろこんな大騒ぎしといてよ……」

「ロ――ロハザー!? と――」

「サイファス!?」

「な……何事なんだ、コレ。マリスタ」

「い、いや、私にも何がなんだか――」

「とにかく知らないので、私。勝手に報いを受けてください。では」

「なんでも言うことを聞くっ!!」

「!」

「な――ちょっとケイお前ッ!」

「だから頼むっ、いつかのように理路整然りろせいぜんと今の状況をきほぐして――」



「なァるほどォ……それなら丁度イイ舞台があるぜ、あんちゃんたちィ!!」



『!!?』



 ――――空を飛ぶ。



 ぐわんぐわんと上下する視界。振り回される内臓。

 酷い作りの車に乗せられたかのように揺れる体。俺をつかみ持ち上げていたのは、



「な゛ッ……?!」



 小麦色の。



 破裂寸前はれつすんぜんかと見紛みまがほどの筋肉を持つ、巨体。



 ――が、二人。



「なぁ、あ、あ、あ、あ、あ、あァあ……??!?!」

「なっ、なんでっ、ナタリッ、お前までっ!!!」

「しっ、りませんっ――よっ。無駄口叩かずにっ、攻撃!!」

「ちっ――――」



 舌をみそうになりながらなんとか会話する。

 集中して英雄の鎧ヘロス・ラスタングを発動、力任せに体の下にある筋肉男の禿はげげ頭を殴ってみたが、なんとまあ。拳に伝わった痛みに、俺の方が参ってしまったではないか。



「ッ!? っ……」

「ヘヘイヘイ!! 我等ボディビル愛好会が代々受け継ぎし最高傑作魔術マスターピース、『大英雄の鎧ヘロス・ラスタング・チラヴ』のお味はいかがかナ!!?」

「チラ……何だと?!」

「なんなんですかそのトンデモ魔術は?!」

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