12
「私の質問に答えてないよナタリーっ」
「は? 答えましたが?」
「報道活動中だからって、どうして正確にケイ君の居場所が割れたのかって聞いてるの!」
「偶然ここにいました。騒いでる声が聞こえたので駆け付けました。はい終了。他に質問は?」
「偶然? 広いプレジアで偶然第二層に居て偶然この辺を歩いてて、偶然この騒ぎだけ聞きつけてやってきたってこと?」
「え……あ、や。それはそうですけど」
「嘘が下手だね、ナタリー。どうせいつもみたいにアマセ君だけにくっついて動いてたんでしょ!?」
「人聞きの最悪なことを
「わたしを差し置いて話すな下民共がッ! お前らはケイの何なのかって聞いてんのよ」
「なんでもありませんが」
「私が先に訊いてるんですっっ! なんなんですあなたっ!!」
「おい。おい。みんな見てるって。おい」
「そんなに聞きたいなら教えたげるわよっ!!!」
「ッ!? おいココウェル、お前はお
視界を覆う
ばにゅん、とまたも押し付けられる
ダメだ。とりあえず素数だ。素数を数えろ
この上発作なんて起こしたら、この事態はもう――――
「ちょっと待ったぁっ!! 皆さんっ、今すぐ私達の
「ちょ――セイカード引っ張らないでってばぁ!」
――――――――この、
「いいこと!? この男、ケイは私の――」
「ケイっ!! これどういう状――」
――――――――事態は、
「
『――――――――!!!?!?』
――――――――もう、誰にも止められない。
「げッ――」
「どっ――!?」
「――――」
「――――あ?」
三者三様、ならぬ
所有権を
素数を六百四十一まで数えた俺。
やってる場合か。
どうすればいい?どう乗り切れれば最善だ?誰が突破口になる?俺がこの場から逃走すれば?いや中立国を失えば対立国は全面戦争になるし大体事ここに至ってまだアヤメがこいつらを殺しに来てないのは奇跡に近――――
「げげげげ
――――全ての手を振り切り、両手を大きく開いて四人を
かつてここまで大声を出したことがあっただろうか。いや無い。
無いが、最早これ以外にこの場を、今後を乗り切る
思考回路はショート寸前。
今すぐ一人になりたい。
つかもう嫌。
とにかく嫌。こいつら。
「は――話し合いって」
「喋るな!!!……喋るな」
「に、二回言わなくても……」
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