11
「っ?!」
――――アヤメのそれとは別種の悪寒が、背筋を分け入って心臓を
ココウェルと共に投げた視線。
その先には、小さく見開いた目で無表情にこちらを見つめる、パールゥ・フォン。
…………嘘でしょう、神様。
吹いてもいない風に桃色の前髪を揺らし、その奥で光る瞳がココウェルを――その豊満な胸に挟まれた俺の腕に向けられる。
いかん。下手を打てば俺の作戦が
ど――――どうにか火を消さねば。
「ねえケイ。あれ誰」
「だ――誰でもないです」
「あなたこそどなたです? 初対面の男の子にべたべたくっついてはしたない」
「――――なんなのお前その口の利き方ッ! あんたこそ初対面の相手に無礼でしょ謝りなさいッ!」
「ケイ君もだよっ! 誰なのその子、マリスタみたいな関係の人!?」
「違う違う違う、違う。落ち着くんだパールゥ。この子はその、」
「あっ、マリスタって例の赤髪の名前でしょ!? マリスタみたいな関係って何よケイ、やっぱお前とアレ特別な関係なんじゃないの!? ちょっとそこのメガネ! 知ってることを吐きなさい!」
「あなた初対面の人への接し方も知らないの?
「や――やめろ、ぱーる」
「下品ってなんだお前ッ!! ビボーをフルに活かした服着てるだけよこっちはっ! はっ、お前みたいなどこもかしこも貧相なネクラ
「ひっ――?!」
「
パシャリ。
……と、覚えのあるフラッシュが
…………なんで 貴様まで ?
「…………『
「ナ、タリー……!!!」
「うっわまた別の女来た! ケイあんたまさか」
「ナタリー……どうしてあなたがここにっ」
「どうしてって、私はただ
『!!!』
「ねえ、あれアマセくんだよね」「お、おう……前回の実技試験でティアルバーを追放した……」「モテてるのは知ってたけど、こんな真昼間から修羅場なんてね……」「クソウケんだけど」「俺友達呼んでくるわ」「みてあっちの子、めっちゃエロいカッコしてない?!」「うっわ、あっざとい……そりゃイケメンも形無しか」「アマセ君カッコい~」「あんなカワイイ子プレジアにいたっけ?」「アマセの野郎、ちょっと顔が良くて実技でティアルバーを
……マズい。非常に、マズい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます