6
……そんなことを考えるくらい、無駄な時間である。
いや、無駄ではないか。
こんな労働でも、先に求める情報があるのなら。
「……それにしても、まあ……」
この世界に来て日の浅い俺はともかく、
誰一人、彼女が王族だと気付き近付く者はいない。
皆
…………俺の目が節穴だということも、可能性としては考えられるだろうか。
実はココウェルは相当な
「い、いらっしゃい……ませ……」
「ふふっ。ねえ、それ四つちょうだい?」
「よ、よっつ……八百ヴォレオになります」
「あ・り・が~・と♡ ケイ、なにやってんのホラ! お金!」
「……ああ」
……無いな。
こいつは本当にただの、性格が
きっとこうして
……食い気と色気だけの、バカ。
果たしてこのような
「ケイ!」
「……はい?」
「はいじゃないわよ。なーんかあんた上の空ね、何してても。わたしと居るのがそんなにつまらないってこと?」
「いいえ? ただ、ちょっと考え事を」
「何をよ? 言いなさい」
「食べているお姿もここまで魅力的な
「っ……!」
ココウェルが表情を変える。
どうやら、こんな適当な
流石は
今はこいつに取り入る他ない。
プレジア襲撃事件を解決する
……そう思うにつけ、今の自分の状態が、力の無さが
痛みの呪いで力は出ず、恐らく力が万全でも
アヤメ。
あれだけ強いギリートの父親。それと同じ、ヘヴンゼル
………………考えるべきことは山積みだ。本当に。
「ねえ、ケイ。あんたってなんかの病気なの?」
「え?」
「『え』って。あんだけ人前で頭痛で無様に倒れたりしといて、何もないワケないわよね。もしかしてあんたって障害者?」
「……デリケートな話題でそういう
「きいてんだけどわたしは。病気なのかって」
「……。はい、その通りです」
「やっぱり。すぐ治るの?」
「いいえ。長くかかる病気です」
「うっわぁ。じゃああんたつまりさぁ、もう兵士としては終わりなんじゃないの? だっさ」
「!」
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