27
新しい仮定の先に待つ、敵の正体。
その
「……どうしてナタリーはアマセ君に頼んだの?」
「知らん」
「決まってるでしょフォンさん。彼女は、彼なら自分と同じ可能性に
「!!!」
「おいギリート。波風立てるようなことを言うな、こんなところで」
「ハハ、ごめん」
「死ね……」
「ケイ・アマセ。お前は何か
「…………ちょっと考えていけば、みんなそこに辿り着く」
フェイリーの言葉に返し。
そのまま、俺は口火を切った。
「仮定は『襲撃者は痛みの呪いを見た者を襲い、記憶を失わせる』ことだ。疑問はいくらでも湧いてくる。記憶を失わせる目的は何か。記憶を失った者がどうなるのか。そもそも襲撃者はどうやって痛みの呪いの存在を知ったのか。本当に『見た』者だけが襲われているのか、全員が記憶を失っているのか。どれも今は、答えが出ない。仮定に仮定を重ねるのはやるべきじゃない。――――そんな中で、
「『襲撃者たちがどうやって呪いを見た者を特定したのか』だ」
『!――……』
ハッとし、黙り込む者がちらほら。
「……アマセ君。それは、」
「痛みの呪いを目撃したのは、あのとき俺とナイセストの戦闘を見ていた者全て……正確な人数や一人ひとりの顔が割れる訳が無い。プレジアには
「で、でも現実に、今回襲われた人はみんな、その呪いを見てるよ? 十人以上襲われてるのに、偶然なんてこと」
「そう。つまり襲撃者はここに寝てる全員が呪いを見たのを知ってたんだ。プレジアの者全員が呪いを見た可能性がある状況の中で、襲撃者はこいつらが呪いを見た確信を得ていた――――呪いの
「て――敵に
青ざめてエリダ。
システィーナが彼女の肩を叩いた。
「可能性があるってだけよ、エリダ。目撃者を知ってるかもとは言ったけど、全員を知ってるとは言ってないでしょ、アマセ君」
「ぇ……あ、そっか」
「ああ。そこで改めて、襲われた
「! そっか、
リアが
「俺とナイセストの試合の時、こいつらは試合会場に
「あのとき、彼らは試合会場に居た、ってことになるのね。痛みの呪いを見た人間を調べ上げて――」
「いや。恐らく
「え……」
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