25
「む――無責任だよナタリー! 人を違法者扱い」
「してませんよ。私はシータが違法に関わっている可能性があると言っただけです。シータ自身が法を犯したとは言ってません。可能性は
「ッ……!」
「そう目くじらを立てないでくださいよ。そもそもが仮説、取るに足らない
「ねえ、」
シータが、
不意を突かれたナタリーが言葉を切って彼女へ視線を向け、周囲もそれに
シータは酷く
「私、見たこと無いんだけど。
そう、口にした。
「……忘れたの?
「じ、実技試験のことは覚えてるわよっ。けど、赤茶の化け物なんて見たこと無いわ。みんな何のことを言ってるの?」
「…………」
問いかけたリアが困惑した様子で立ち尽くす。
目を
ギリートが相変わらずの空気を読まない声色で「おっとそう来たかぁ」などと
赤茶の化け物――「痛みの呪い」が生み出したあの
忘れられる訳が無い。
シータは確かにその目に赤銅を
それを
「……記憶を飛ばされている、ということですか」
「記憶を……!」
「それもどうやら、『痛みの呪い』の記憶だけを。検査じゃ
クリクターの声にパールゥが応じ、パーチェが
パーチェはシータのベッドに手を
「思い出してみて、実技試験のことを。一日目のことはどこまで覚えてる?」
「い、一日目は……大体のことは覚えてると思います。食堂で友達と観戦して、マリスタの
「勝敗は?」
「お、覚えてますよ。一回戦の勝ちはアマセ君とハイエイト君…………キースさん、ティアルバー君。二回戦はアマセ君とティアルバー君」
「二日目は?」
「二日目は……第二ブロックの決勝戦を見に、二十二層に行って……」
「……そこからが
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