21
何か言いかけたフェイリーを制し、クリクターが言う。
「校長」
「いいのですフェイリー、かばってくれてありがとう。……確かに、魔術師コースの者をここに居れてしまったのは軽率でした。私の落ち度です」
「で?」
「改めて、ここに居る魔術師コースの皆さんに協力をお願いしたい。構いませんか?」
『もちろん!!」ですッ!」
エリダとパフィラが口を
クリクターは最後にフェイリーを見たが、彼も鼻から息を吐きながらゆっくり
クリクターはにこりと笑った。
「ありがとうございます、皆さん。……事の次第は、先程ここで語った通りです。あくまでも他言無用、特に学外の方には決して漏らさないよう、よろしくお願い致します。……それではコーミレイさん、改めて話の続きを。確か、メルディネスさんの襲われる心当たり、でしたか」
「……ええ。そして、そんなものは無いと回答をいただいたところです」
「ホントに無いの、メルディネスさん。何か後ろ暗いことをしてるとか、ご家族が悪いことに手を染めているとか」
「勝手に話を進めないでくださいますイグニトリオさん?? 不快な上に不正解です」
「あれ。メルディネス家黒幕説ってことじゃないの? 残念」
「だからあんたは……!!」
「無視しろエリダ。反応するだけ
「ひっどいなー」
「私は敵の目的を知りたくて
「敵の目的だと?」
ナタリーを見る。
「あやあや。筆記試験連続トップのケイ・アマセさんでも理解出来ないと? 勉強が出来て頭は悪いの
『
「…………」
「む、無視しなってアマセ。反応するだけ徒労なんでしょ」
「ごめんて。茶化すつもりじゃないんだよ、僕も本当にそう思っただけさ。コーミレイさんの舌は大体回り過ぎでくどいからね」
「こいつにスキャンダルの一つでもあればすぐにでもイグニトリオ家を滅亡に追い込むんですがね……ああ
「
「ギリート。黙れ」
「はいはい」
「さあ、話を前に進めましょう。コーミレイさんは敵の目的が
クリクターが仕切り直し、ナタリーを見る。
ナタリーは深く深く
「たった一人の女子の記憶と良心を
「だ、だからやってないって……言って……」
「ああ、ちなみに貴女の『趣味』については
「え、ああ、そうなn……え????」
「さあ、それを除外して。家族を含めて、なにも後ろ暗いものはありませんか?」
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