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「他の子たちは相変わらず。目覚めないけど
「でも、もしかしたら今後何か起こるかもしれませんねぇ。ね、コーミレイさん」
シータの対面の壁に背を付けて立っていたギリートが言う。
シータの居るベッドの奥側、リアの隣にいるナタリーはギリートを見ず、ただ舌打ちだけを返した。こいつはまた何をそう怒っているのか。
ともあれ、ギリートの言いたいことには予想が付く。
「……
「そういうこと。これって、メルディネスさんだけ敵に
「イグニトリオっ!」
ギリートを
ギリートは口を
シータは
「とにかく、今は彼女の無事を喜びましょう。あなた達はそれで十分ですよ」
被害者の寝るベッドが並ぶ医務室の一番奥の椅子に座っていた学校長、クリクターはゆっくりと立ち上がった。
「リコリス先生。一応、」
「
「ありがとうございます。……この調子で、皆さんも目覚めてくれると嬉しいのですが」
「で、でも校長先生……
「本当に襲われるような心当たりは無いのですね? シータ」
パールゥの声を遮り、ナタリーがシータを見ながら言葉を投げた。
「な……無いわよ。ある
「ほう?」
「ちょっと待て。そこの」
額に
「なんでしょうか、アルクスの方。確かレットラッシュさんでしたか」
「悪いが、この件は極秘事項になってるんだ。見舞いが済んだなら、同じ
「ウザいです☆」
「……は?」
「ウザったいですそういうの。大体そんな下らないお
「何とでも言え。君らの命を守るのは何にも優先され――」
「彼女らに見舞いを許可したのは私です、コーミレイさん」
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