19
「来ないよ」
「!」
「そんな日は来ない。
「……大丈夫だよ。
「――――」
〝君の今までの行動を見て『お人好しじゃない』なんて言う人、いないと思うよ〟
「……いいよ、好きにすればいい。俺も勝手にさせてもらう」
互いに都合のいいときだけ、己の気持ちを満たすためだけに相手を利用する関係。
その先に
だから、改めて言おう。
「俺はお前と学祭を回らない。それ程の借りを作った覚えは無い」
「……人でなし。でも分かったよ。大きな貸しを作ったら学祭、一緒に回ってくれるんだね」
「……好きに解釈するといい」
パールゥは俺が好きだろう。
ということは、俺と恋仲になることを望んでいる
ここまで
「――――練習、続けるの?」
「こんな
「ここに居たっ!!」
「いたーーーっっ!!!」
駆け込んでくる声。
髪を振り乱しながら飛び込んできたのはエリダとパフィラだった。
パールゥが慌てて目に残った涙を
「エ――エリダと、パフィラ?」
「どうしたんだ? そんなに慌」
「シータの意識が戻ったのッ!」
「あっというまっ!!」
『!?』
◆ ◆
引き戸を開ける。ドアの近くにいたリセル――
「シータっ。目が覚めてよかった、体は大丈夫!?」
パールゥが駆け寄っていく。意識を取り戻した少女――シータ・メルディネスは
「パールゥ。今目覚めたばかりだから」
「あ、ご。ごめんっ」
「あ……いや。いいのよ。体調は別に悪くないから」
パールゥを
「体にも、
「――そうなのか?」
俺の言葉を先回りし、リアが告げる。
近くに来ていたパーチェが小首を
「意識が無かった時の検査と全く同じ、何も変化なし。こう言ってはナンだけど、襲われた後だとは思えないくらいに健康よ」
「パ、パーチェ先生っ」
「他の奴らは?」
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