18
……視界の
それが良くない
黙る。
もっと聞かせてくれ、パールゥ。
「自分勝手なのもいい加減にしてよっ。まるで初めからいない存在みたいに私を
目を閉じる。
受け止める。
「こんなこと言いたくないけどっ……どうして私に深く関わろうとしてくれないの? どうして私に深く踏み入ろうとしてくれないの? 私に『嫌い』だって伝える、たったその一言のための一瞬でさえ、ケイ君は私に踏み入ってくれようとしないっ! パールゥに真剣になってくれないっ!! どうしてなのっ!?」
〝いつもみたいに、
……『いつもみたいに』。
やっと気付いた。そうか、俺は、
〝無意識でも天然でも何でもねぇ、お前は意図的に人の心を
まず前提として、
……パールゥが
いつの間にか
「それなのにっ……それなのに、ケイ君はたまにすごく人に優しくする。負けたマリスタを
「………………」
「どうやって君に接したらいいかもう解らないんだよっ。近付いて離れて、人の気持ちを弄んでっ…………嫌うなら嫌ってよっ。突き放すならちゃんと見捨ててよッ!!」
「どうしてだ?」
「……え?」
「どうしてそこまで傷付いていて、未だに俺に
「――……」
細めた目から涙を
「――――それでも君と居たい、君を知りたいって思うからっ。これだけの気持ちを投げかけても答えすらくれない君でも、
「――パールゥ、」
「
強い瞳が俺を射抜く。
眼鏡と前髪の向こう側。
この少女は、こんなに強い目をする人だっただろうか。
…………ごめん。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます