9
「あなたと同じよ。襲撃者のことも被害者のことも、今朝聞いたばかりなくらい」
「そうか。それじゃあな」
「待ってよ。久しぶりに二人だけなんだから、もう少し話をさせて」
「
「大丈夫?」
「っ。」
口から、いや、
「何のことだよ」
「全部のこと。『発作』のこととか、イグニトリオ君のこととか。色んなものが重なり過ぎて、大変じゃないかなってこと」
……シャノリアが口にした「こと」は、とりあえず全部、今まさに気になっていることで。
思えば最初に出会ったこの世界の住人の一人だとはいえ、それ以降大した関わりは無い女性だった。
マリスタと違い、彼女はプレジアの教師だ。それなりに忙しかったのだろう。
だからこそ、俺とシャノリア・ディノバーツとは、とっくに「
それがこいつ、さっきから
〝この先きっと、あなたをちゃんと理解してくれる人が現れる〟
――本当に。
いつかまとまった時間をとって、顔に出ない訓練をしよう。絶対に。
「……『大変』に一役買ってる
「
「そっちに気を回す余裕が無かったんだよ。俺以外の奴らのモチベーションに関わるから言わなかったが」
「へえ。ケイなりに、みんなのこと考えてくれてたってことなのね」
「っ、」
「そして、劇に気を回せないくらいに追い詰められてもいた、と」
「…………好きに想像しろ」
「はい言葉止まった。またこれも図星? もう、アレコレすぐ態度とか顔に出すの直しなさいよ。まるで私が追い詰めてるみたいじゃない」
「追い詰めてるだろうが」
「だから、少しでもそれをといてあげようって言ってるんじゃないの。それで、どうなの? イグニトリオ君とは、上手くやってる?」
「…ああ。食えない奴で
「つまり上手くやれてるのかやれてないのかどっちなのよ……昨日の
「…………
「完璧超人がウソばっかり言うな。
「うるさいな。思春期なだけだ放っておけ」
「そういうの自分で言う……?」
「他に
「……あらら。聞かせてくれるの?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます