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「襲われたのは第二層の
「トイレ……!?」
「元々利用が少ない場所だ。トイレ前から狙ってたんだろうな」
「すぐに奴らは手、向けてきて。後ろにあった
「奴らは君に武器を向けてきたんだな? どんな武器だった? 服装は?」
「服装は、皆黒い
「君はそれにキズを付けられた」
「はい。この腕の傷です。今のところ、体に異常、ありません。でも、きっとこれは彼らの『トドメ』じゃない」
「トドメ?」
「剣での攻撃、あくまで副次的なものでした。
「煙の手?」
「手、黒い煙をまとうんです。その手で、私の頭、
「それがこいつらの
「皆、白い仮面をつけていて。分かりませんでした。声も聞いていません」
「風紀委員で洗いましたが、あんな仮装は今回の学祭で使われることにはなってませんでした」
「適当な変装だこと。バレないと思ったのでしょうね、その程度でも」
憎々しげに言うロハザーに、パーチェが素っ気なく告げる。
「そうだな……だが何にせよ俺達にとって、非常にありがたい情報が一つあるな」
「そう思います。……彼らの狙い、少なくとも私たちの命ではない」
その場の全員が
ここに寝ている十数名以外に、被害が出たという話も無い。ということは、今後被害にあったとしても、
目覚める保証はないが。
では、奴らの目的は?
「で……戦闘が行えなかった彼女を助け、代わりに戦ったのがお前か。ロハザー・ハイエイト」
「はい。戦闘と言っても、一発
「なんでもいい。気付いたこと、思ったこと。話してくれ」
「……とりあえず、
「相手は三人だ。その後集中攻撃を受けたりはしなかったのか」
「応援を呼んだことを伝えたらそれ以上攻撃してこなくなりました。数で負けると攻撃してこないかもしれません」
「絶対有利な状況でしか攻撃してこなかった……ってことになるのかな」
リリスティアが言う。ロハザーが「まだ一例しか無いから何とも言えない」と首を振った。
「それと、あいつら」
「なんだ?」
「……奴ら、退いたんじゃないんです。
「消えただって?」
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