10
少女の手を取り、走り出す。
「ちょ――――ケイ君っ!?」
パールゥの声が遠ざかる。
黒装束の気配はこちらに近づいてくる。
「人気の多いところに出て助けを呼んでくれッ!」
叫びながら――
「きゃあっ!?」
少女を抱きかかえ、ライブステージの上へと着地する。
とにかく
ここから
――――出来るのか、今の俺に。
「ッッ!?」
その
進行方向に現れるフードの
方向転換も間に合わない。
黒い手が動き――――
――――――剣、だと?
〝殺されるッ!! 助けてっ!!〟
「でやぁああああっっ!!」
俺の
「ま――マリスた゛ぁ゛ッ!!?」
「きゃっ……!」
喉が
左腕を外に
視界。少女はなんとか離れている。
「!」
眼前に
奴の横を抜け、なんとか少女の前へと移動した。
同時、マリスタが俺の対面、黒装束を
二対一の状況を察知してか、黒の剣士は動きを止めた。
「大丈夫なのケイッ!」
「余計な口を叩くなッ! ひとまず
「ど……どうして」
「死人が出るッ!」
「!!?」
「間違いない、こいつは本気で俺達を――――ッッ!?」
黒が右手で投げたのであろう
その時には
「早――――
マリスタが
黒の剣が、あっさりとそれを突き破る。
「――――え」
「――――」
黒の肩の向こうで、とす、と。
「――テm……あ゛ぁ゛ッッ!!!」
それがスイッチであったかのように、頭にバヂンと
神経を引き
俺は無様に、黒の足元に
「く……そッ……ッッ!!! っあァ!――――あ……!!!」
したたか打ち付けられた脳が
しかし意識を閉じる
今、俺の目の前には――――向けた背から黒い刃を突き出している、マリスタの背があるのだから。
「マ……マリ、」
「
「!、?」
ぐったりとしたマリスタの背の向こうから、女の声がする。
「大人しく
「な……何を言って、」
「止めにしましょう、このような危険な
「!!!? お――――」
「あーあ、
「!!!?!?」
〝助けてください!!〟
――頭にあった
そこにいるのは先程の少女。
「分かったわよ。もういいから早く
王女様と、呼ばれた女。
「はい」
血濡れた
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