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「……一緒に見ることになりそうだね、なんだか」
「……エルジオ先生」
「彼を追ってここまで来たんだろう? 僕もさ。いきなり飛び出した彼を、マリスタが必死に追いかけ始めたもんでね」
「…………」
「……苦労するね。お互い」
「…………きっと。私の方が、もっと苦労すると思います」
「え?」
「………………」
◆ ◆
闇の中。
会場全ての注目が前方の暗闇に集まったとき――その歌は、花が開くように静かに始まった。
響くよりも、染み入るような
静まり返る会場。
そんな中でも、観客達はある種の熱狂で
かと思えば、打って変わった不可解な歌詞を、
観客達がそれぞれに
お
いや――――リリスティア・キスキル。
認めざるを得ない。
聞けば彼女はなんと
転校生らしいが、ここに来たのももう二年も前になるという。
俺がこの世界のことなど露ほども知らなかった時期だ。関連性は薄い。
考え
だが、ひとまず今は――――彼女が天瀬愛依でなく、リリスティア・キスキルとしてこの
そんな思考と、熱狂に
立ち上がったファン達による
「ああああ……よかった……リリスちゃんよがったぁ゛……」
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