7
――マリスタから広がるようにして、場に寒気が満ち満ちる。
馬鹿、俺を見るなお前ら。どうしろってんだ俺に。
大体、俺はライブなんぞに毛ほども興味は無い。
ただ――――そう、
パールゥの好意は最近度が過ぎている。俺が何も言わないのをいいことに、わざとグイグイきている
だから、代わりにマリスタのチケットを受け取ったまで。
きっとパールゥの持っていた二枚目のチケットは、俺を誘うためのものだっただろうから。
〝もし、あの子がアマセ君に気持ちを伝えてきたら……一生懸命、言葉を選んで、応えてあげてね。……いつもみたいに、
だから、これで上手くいく
こうなったら、俺から断りを入れるか。私用を思い出したとか何とかで。
いやでも、ここでそれを言えば結局「
いや大体、そもそも、なんで俺がマリスタの許嫁だのなんだのという家庭の事情に配慮せねばならんのか。俺には別にやましいところなんぞ
「ちょうどいいじゃない。困ってたんでしょ? 二枚目のチケットどうしよう、って」
――その声が。言葉が。
全く取り返しのつかない
「………………」
「………………」
マリスタが声の主を――――パールゥ・フォンをみる。
パールゥもマリスタを見て――――いつもとまったく変わらない
いや、それは
飛び出んばかりに目玉をひん剥いた
真顔に
なんなんだ。
何が起こってるんだ、今。
「ああ、余ってるのか? じゃあぜひ使わせてもらおうかな」
「……え、なに、が」
「え? 何がって……って、」
サイファス・エルジオが
「ど――どうしたの、みんなも。なんだか
「あ――ああ!
『――――!!?』
システィーナはその目に激しく
「あ、でも……マリスタ確かその時間、
「えっ、あ、え、あ?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます