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「え? どういうこと、システィ」
「気付いてなかったの? よっぽど忙しいのねマリスタ……どういうことも何も、そのまんまよ。アマセ君、今日はすんごい落ち込んでたみたいだったよ」
「や、あいつは落ち込んで見えるのが
「そ、その見方もどーなのよ……」
「きょうはすんげー元気なかったよー?」
「え、すんげーなかったの? 確かにさっきも小道具折っちゃったりしてたけど……あのケイがそんなこと気にするかね?」
「や、たぶんそれはミリも気にしてない」
「だよね」
「それもド失礼だわよ、あんたたち……」
「
「それが無いってこと?」
「うん……今日なんて、私が話しかけたことに気付いたのに、何も返してこなくってね」
「な……なァによそれ、なんつー失礼なヤツ!!」
「違うと思うわよ。あたしも少し話したけど、なんか。心ここにあらずって感じだった。歯切れが悪いっていうか、なんていうか」
「明らかに、いつもとは違ったよね」
「うん」
エリダとリアが顔を見合わせて
「わ、私も何も知らないよっ。……でも、そこまでいくと確かに
「あの言い振りだと、パールゥも何も知らないっぽかったわよね。劇の本番もあんな感じだったら大変なことになりそうだわよ」
「う、うーん……あいつの元気がなくなるような……」
〝俺は、まだ戦える――――ッ!!〟
「……こと、か」
「……何か、思い当たることがあるの? マリスタ」
「あ、いや……分かんないよ? でも、元気がないっていうなら、元気づけてあげたいなーとか、私は思うんだけど」
「元気づけるねぇ。でもアマセが元気になることってどんなことなの?」
「みんなでデートにさそうとか!!!! はーれむ!!!!」
「気付いたらいなくなってそうね、アマセ君……」
「でも、なんかゴハンに連れてくくらいだったらいいんじゃない? あたし良い考えだと思うけど。みんなで学祭回ったりしてさ!」
「あ、それ無理かも。最近食欲ないって言って、ケイの奴ブロックの
「絶対元気ない原因それでしょ?! 肉食わせないと死ぬわよ?!」
「あんただけだわよそんなの」
「きゃはは! なのにあたまにはえいようぜろー!」
「うっさいわよそこのチビ二人!!」
「それに、私達も
「ぬぬ……」
「……何か、彼が驚くような
「アマセが知らないものをあたし達が知ってるワケないじゃん……言ってて悲しいけど」
「それに、実用性がないとアマセ君にとっては『で?』って感じの出来事になっちゃうでしょうね」
「おもいつかないねー!」
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