9
「ここまで『
「う、うるさいっ!」
「システィーナ。マリスタが
「分っかりやす過ぎんのよ、こいつは。大体あんたね、そんなに動揺しちゃうくらいなら」
「エリダの言う通りだわ。さっさと告っちゃえばいいのよ」
「こ、こここここくっ?!?って、そうじゃなくて――――ケイが入ってるとか入ってないとか、そっちの方が! 一体何の話かって聞いてるのっ!」
「そのまんまの話だわよカマトト。さっさと腹決めないと、あなた――――アマセ君取られちゃうかもよ?」
「と――」
「――――」
一瞬だけ真顔になるシスティーナ。
彼女の視線の先で、マリスタは一度だけ大きく
「――取られるとか、私はその。考えたことも」
「ふぅん。いいワケね、あんたはそれで」
「い、いいも悪いも。私が口
(!)
「――私達、『パールゥ』だなんてヒトコトも言ってないのだわよ」
「っ、ぇ、」
シータがじ、とマリスタを見る。何かを言おうと口を開けたまま固まるマリスタ。
あたふたとするエリダ。と一緒になって動くパフィラ。
静観するリア。
「や、だから……私は、別にそういうの、考えたことも」
「考えてるからこそ――」
「シータ。そこまで」
システィーナの声が、ぴしゃりとシータを止める。
シータは何か言いたそうに口を
「ま、いいわ。ほっといた方が面白くなりそうだものね、あなた達」
「シータ。……ごめんね、マリスタ。変にそそのかしちゃって」
「う……ううん、別に全然いいんだけど……な、何々。もしかして、もうパールゥ、ケイのやつに告白しちゃったとか?」
「や――いや、まだそこまではいってないのよ。でも、」
「カップルになるのも近いかもしれないってことだー!」
「ふ、ふーん……そっか。たはー、頑張ってるなぁパールゥってば。私なんて、学祭関連の仕事でいっぱいいっぱいなのにさ」
「確かにね。私も今、学祭の仕事で
リアが手にした手帳をパラパラとさせながら言う。
みなまで言わずとも、全員が理解した。
パールゥは、
『…………』
皆が
集まりによっては、もっと盛り上がりを見せてもいい話題。
だが、それは話題の対象がグループ外の人物であればの話だ。
誰か一人でも、「身内」の人間がいれば――――その話題は、決して立ち入りを許されない
少女たちは、暗黙の内にそれを恐れているのである。
故に。
「……でも、最近本当にアマセ君、元気無くなってるよね」
システィーナは、話題を全く別の方向にシフトさせることにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます